出版社内容情報
「まず基本を身につけよう」
この言葉に呪縛されて、どれだけ多くの才能が芽を吹かずに枯れていったか――
下手がやみくもに基本練習を繰り返しても、かえって下手を植え付け「未知への対応力」を鈍らせてしまう。そして、基本の「意味」を認識し、「意義」を体現できている指導者が壊滅状態にある今、他人に基本をひたすら繰り返させるのは、本来恐ろしい行為である。だが、世間では「基本が大事」と言って止まない。「基本信仰」こそ思考停止社会の元凶である。
武術の探求者・甲野善紀の武術には「基本」がない。学ぶ側は、やみくもに頑張るのではなく、その瞬間瞬間の対応を迫られる。わかることに意味はなく、創造しできるようになる工夫をし続ける。
本書では、甲野を観察し一から独自の理論と稽古法を構築して一流の格闘家からも驚かれる技を身につけた方条遼雨のユニークな上達論と、それをめぐる二人の対論で「上達の原理」を解き明かす。
内容説明
武術の探求者・甲野善紀を観察し、一から独自の理論と稽古法を構築して一流の格闘家からも驚かれる技を身につけた方条遼雨のユニークな上達論と、それをめぐる二人の対論!
目次
「基本」に替わるもの
変わらないもの
原則
我田引水であるという事
原則・「不安定の使いこなし」
原理・「膝抜き」
体重移動
筋力系と重力系
フラフラ歩き
習得と言語〔ほか〕
著者等紹介
甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949年東京生まれ。武術研究者。20代の初めに「人間にとっての自然とは何か」を探求するため武の道に入り、1978年に「松聲館道場」を設立。以来、剣術、抜刀術、杖術、槍術、薙刀術、体術などを独自に研究する。2000年頃から、その技と術理がバスケットボール、野球、卓球などのスポーツに応用されて成果を挙げ、その後、楽器演奏や介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになった。2006年以降、フランスやアメリカから日本武術の紹介のため招かれて講習を行なう。2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。2009年から森田真生氏と「この日の学校」開講
方条遼雨[ホウジョウリョウウ]
玄武術“天根流”(げんぶじゅつあまねりゅう)主宰。甲野善紀、中島章夫に武術を学ぶ。両師の術理に独自の発見を加え、「体・動きの根本原理の組み替え」と「脱力」に主眼を置いた「玄運動(げんうんどう)」「玄武術(げんぶじゅつ)」を提唱。スポーツ指導者・パフォーマー・格闘家・芸術家など、ジャンルを問わず「体の使い方」を伝える。また、「身体と心は完全に同一である」という独自理論を元に、心と体の整え方・緊張の治し方教室やカウンセリング・身体調整も行う。近年ではサッカー・スタント・歌舞伎・掃除など異分野との交流や合同講師としても活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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