PHP新書<br> 山本周五郎で生きる悦びを知る

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山本周五郎で生きる悦びを知る

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  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569830537
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

人間の現実でもなく、真実でもなく、本質を描いた作家・山本周五郎。彼だからこそ書けた、『青べか物語』や『さぶ』の真価とは。

【著者紹介】
文芸評論家

内容説明

周五郎が直木賞をはじめ、あらゆる文学賞を辞退し続けたことは有名だ。「文学は賞のためにあるのではない」が持論だった。人間の人間らしさを生涯にわたって探求し続け、自らの生活そのものを小説にささげた作家が描いた「悦び」の深みを知る。

目次

第1章 赤ひげ診療譚―分かりやすい正義がなぜ心に迫るのか
第2章 青かべ物語―浦安生活から三十年後に綴った物語
第3章 さぶ―全ては、結末の台詞を書くための道筋
第4章 季節のない街―「流れ者の吹きだまり」に住む人々の生き様
第5章 柳橋物語―おせんはなぜ、死を選ばなかったのか
第6章 樅ノ木は残った(前)―前衛的な「現代小説」
第7章 樅ノ木は残った(後)―周五郎は何を描いたのか

著者等紹介

福田和也[フクダカズヤ]
1960年東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学環境情報学部教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。『日本の家郷』(新潮社)で三島由紀夫賞、『甘美な人生』(ちくま学芸文庫)で平林たいこ賞、『地ひらく』(文春文庫)で山本七平賞、『悪女の美食術』(講談社文庫)で講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

33
山本周五郎の作品は、「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味は分からない」というゲーテの名言そのも。我々の人生には納得できないことが多くある。私の場合も理不尽な会社の人事に苦しんで、すべての仕事を投げ出しそうになったことがある。そんな辛い時期を救ってくれたのが山本周五郎の作品。頑張っても報われないかもしれないが、人生を投げ出すなよ、きっといつかは日の目を見るときが来るはずだと、そんなささやきに励まされた。いま若い奴らを見ると、同じようにもがき苦しんでいる奴がいる。自棄になるなよ、と見守りたい。2018/02/04

nbhd

19
「季節のない街」を読んで、山本周五郎の得体の知れなさに興味を持って、手に取った。福田和也さんって、勢いのある保守系の論壇人だった気がするのだが、この本は作品解説+伝記+紀行のまったりしたもの。【引用】「このノートを小説として再現しながら、作中の人物のひとりひとりに、私は限りない愛着となつかしさを感ずる。この人たちはかつて私の身近に生きていたのだ。かれらの笑い声や、嘆きや怒りや、啜り泣く声が、いまふたたび私のところに帰ってきたのである。それを歪曲することなく、できるだけあったままに私は写し取ってゆきたい」。2024/07/23

ペンギン伊予守

4
福田先生久しぶりの新刊を読んでみたら、凄みが増していました。2016/04/29

マウンテンゴリラ

2
権力を求め、それにすがって生きたほとんどの人間が、他人にとっての糧となるものを残さずに死んでいったのに対し、反権力、反権威に生きた山本周五郎が、書物を通じて他人の糧として残したものが、いかに大きいものであったか。本書を読んで先ず気付いたことはこの事であった。権力と、人間の器量や他者への影響力とは、本来全く無関係、やや誇張気味に言うと、むしろ相反関係にあるようにも感じられる。本書に掲げられる小説の中で、個人的に未読の「青べか物語」、「柳橋物語」、そして、既読ではあるが、記憶の彼方に遠くなってしまった→(2)2016/07/02

GO-FEET

2
★★★☆2016/05/27

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