出版社内容情報
1981年、札幌。大学2年生の幸平が、バイト先の喫茶店に集う人々との交流を通じて“大人”へと成長していく様を描く青春群像劇。
【著者紹介】
小説家
内容説明
―1981年、札幌。喫茶店“D”でアルバイトをしている大学生・幸平のもとに、東京で働いているはずの姉が「しばらく泊めて」と突然、現れた。幸平は理由を聞き出せないまま、姉との暮らしを始める。一方、“D”では、オーナーと店長が「金と女」のことで衝突。そんな二人を見て、幸平たちは“ある行動”に出た。それは一人の女性を守るためだったが、姉の心にも影響を…。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむpulp‐town fiction』で第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
228
いかにも小路さんらしい、爽やかテイスト満載の懐かしき80年代を舞台にした作品でした。何がどうという大きな出来事も起きるワケでもなく、ごくごく日常の若者の生活を淡々となのですが、やっぱり小路さん作品は読みやすさが抜群なので、単調かに思える作風でも結局、見事に読み終えてしまうリード感はさすがです。懐かしきよき80年代なので、スマホはおろか携帯電話も登場しない時代背景はある意味新鮮でしたが、不思議と古くささへいい意味で演出されておらず、読みながら現代かと違和感なく、読み進めました。札幌と旭川が身近に感じます。2016/04/14
しんごろ
211
1981年、1982年といえば、俺は小学生なんだけど、それなのになぜか懐かしさを感じる物語でした。この時代はきっと、今より仲間意識、絆、団結力といった横の繋がりが深かったんだろうなあと思いますね。懐かしさに加えて、時の流れが緩やかに感じて、更には優しさと温かさも感じ、そして、これぞ青春だなあと思いますね。舞台は札幌の喫茶店がメインですが、この喫茶店で働きたくなる気持ちになりました。2018/09/24
紫綺
162
80年代初頭の札幌、大学生を中心とした若者向きの喫茶店〈D〉。そこでアルバイトする大学生コウヘイの下に、突然転がり込んだ姉。一人一人が抱える苦悩や哀しみが成長の糧となっていく。小路さんが書くと、ドロドロした「不倫」の話もスマートに流れて行く印象。それにしても、すべての登場人物が優等生過ぎる!2016/04/26
みかん🍊
109
80年代札幌の喫茶店でアルバイトをしながら大学に通う学生たち、小路さんの作品らしく嫌な人は出て来ないので安心してわくわくしながら読める。仲間思いでアルバイトといえ仕事に自信と責任感を持っている正義感の強い彼らには大人の事情は納得できないのだろう、学費や家賃を親に出して貰っている事をわきまえて生活費や遊ぶお金は自分で稼いで自由に生活する、その人しか出来ない特別な仕事もあるが、誰にでも出来る仕事をきちんとやる事がとても大事なんだ。2016/02/24
初美マリン
105
青春ラプソディかな。2020/01/15
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