出版社内容情報
ほんの少しの考えや姿勢の変化によって、幸福になれる―。自分の生き方を考えるための「ヒント」集。名著『こころの天気図』の復刊。
内容説明
人間の「こころ」というのは厄介なもので、そう簡単に、こうすればうまくゆきますよ、というような解答はでてこないものである。本書は読者の方々が自ら考えてゆくため、いろいろなヒントを与えるものと言っていいだろうし、「こころ」について基本的に知っていたほうがいいと思われることが語られているとも言えるだろう。
目次
第1章 「私」とは?「あなた」とは?
第2章 人と人が出会う時
第3章 男と女―作品に沿って
第4章 こころ晴れたり曇ったり
第5章 「秘密」からの合図
第6章 夢を生きる
第7章 相談する相談される
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928‐2007年。臨床心理学者。京都大学名誉教授。京都大学教育学博士。2002年2月から2007年1月まで文化庁長官。国際箱庭学会や日本臨床心理士会の設立等、国内外におけるユング分析心理学の理解と実践に貢献。『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、『明恵夢を生きる』で新潮学芸賞受賞。1995年紫綬褒章受章、1996年日本放送協会放送文化賞、1998年朝日賞を受賞。2000年文化功労者顕彰
工藤直子[クドウナオコ]
1935年、台湾生まれ、詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズコ(梵我一如、一なる生命)
14
心の取り扱い方(というのは悪い表現?)、どのように自分の心と付き合っていくべきなのか、どのように自分の心を育てていくべきか、非常に示唆に富んでいた。本自体は、既に30年以上前に書かれたものであるが、後年の河合さんの本よりも教え、示唆の観点では粒ぞろいで、明確であったと思う。良書。時々読み返せるように、買って自分の本としたい。2015/09/16
スズコ(梵我一如、一なる生命)
10
知らず知らずと再読でした。良いのは相変わらずですが、今回はもっと長く深く向かい合う類のものが読みたかったなぁとも思えた。すごく良かったのは、若い頃真剣に向き合って裏と表を突き合わせて折り合いをつける作業の中で、それに耐えられない純粋さが死を迎えてしまう可能性があると言うこと。こんな言葉では全然なかったのだけど、そんな感じのこと。私、数日経ったら何も心に残っていない、のかも、、、。2025/02/18
nizimasu
6
最近、禅のお坊さんが書いている本を読んでいると河合先生の文章を思い出した。この何とも弛緩して人間の怠惰や悩みに対して肯定的に受け止めるというのはまさに河合先生のセラピーそのものではないか。そう思って久々に読んでみると大それたことは書いていないのだがそれでも読後感がどこか脱力した自己肯定感が残るというのは不変なのだなあとしみいるのでありました。振り返れば20代前半ぐらいに河合先生の書物から感じる仏教感というのが今の坊さんの本を読むと既視感を感じる理由がわかった。多分、その手の仏教エッセイは自分には必要ないな2015/11/09
侘び寂び侘助
4
カウンセリングを受けているようフワッとした感覚に落ち入る。アドバイスのような意見のような、曖昧なところが心地よい。学生時代に読んでおけば、心理学へも関心が持てたのかなぁ、思う。2019/11/16
OHNO Hiroshi
3
答えはありません。でも、大丈夫。子供の心を忘れてはいけません。秘密を持ちましょう。生きているだけで、丸儲け。明石家さんまに通ずるものがある。不幸と幸福は一緒にくる。プラスとマイナスは一緒にくる。再読しなくては。2017/01/03