出版社内容情報
エスピオナージからミステリ、ミリタリーまで、著者の現代小説を集成した合本愛蔵版。長篇三作と、短篇「幻虎の吠える丘」を収録。
一等陸佐のもとに届いた、かつての上官である退役陸将補の訃報。彼はその死に、存在を秘匿された対敵諜報部門の関与を疑うが……。(『東京の優しい掟』)
グラフィッカーの僕は、勤めているゲームソフト会社の社長から、独立を目論む者を突き止めて欲しいと頼まれる。何かが会社に起きている。裏切り者は誰なのか? ゲーム業界の中で新たな〝ゲーム〟が始まった。(『虚栄の掟 ゲーム・デザイナー』)
内憂外患に煩悶する青年将校が、母国再生のために叛乱を決意。果たして首都占領は成功するのか?(『平壌クーデター作戦』)
内容説明
ミリタリー、エスピオナージ、ミステリーポリティカルフィクション…。現代小説集成。待望の復刊。
著者等紹介
佐藤大輔[サトウダイスケ]
1964年4月、石川県生まれ。ゲームデザイナーを経て作家となる。戦略シミュレーション小説に独自の世界を切り開き、ミリタリーSFなどでも活躍。2017年3月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
18
佐藤大輔の「現代小説」群の復刊。「東京の優しい掟」はジョン・ル・カレ的だけど大輔節による日本的エスピオナージ。「虚栄の掟 ゲーム・デザイナー」はWindows95が出る時代の、とあるゲーム会社で起きた内幕もの的ななにか。「平壌クーデター作戦」は第二次湾岸戦争が終わり、SARSが中国から北朝鮮に蔓延した2003年秋の、あの「地上の楽園」が崩壊寸前と言われた時代に起きたかも知れない歴史。第二次小泉内閣の頃か。おまけの「幻虎の吼える丘」は北朝鮮の動乱の中で出兵した陸自の生存兵の物語。大ちゃん節は、やはりいい。2023/10/29
こぼこぼ
2
「幻虎の吠える丘」が苦しく,辛い。メイン中編3本は古さを感じさせない。2023/02/26