出版社内容情報
政権交代、フェミニズム、スクールカースト……現代日本のあらゆる問題が『ドラえもん』に書かれていた! 前代未聞の社会学的マンガ論。
【著者紹介】
評論家、「クラシックジャーナル」編集長
内容説明
クラスでいちばんかわいい女の子しずかちゃんが、いちばん凡庸な男の子の妻となる現実。最大の武力の持ち主ジャイアンと最大の資金力の持ち主スネ夫が、タッグを組まなければならない現実。たとえいじめられても、いじめっ子と絶縁する道を選べない最下層カーストにいるのび太の現実。ドラえもんが歩いていても驚かれない、地域コミュニティが崩壊した郊外に住む野比家の現実―『ドラえもん』で描かれる人間関係は、はからずも現代社会の縮図なのである。空気のような存在ゆえに、かえって論じられてこなかった国民的マンガを社会学的に考察。なんともせつない深すぎる「ドラえもん日本原論」。
目次
第1章 しずかちゃんの行動は冷静に考えればよくわからない―紅一点のフェミニズム批判
第2章 ジャイアンとスネ夫はまるで民主党政権である―ガキ大将とボンボンの政治学
第3章 「ドラえもん世代」は存在するのか―体験的ドラえもん時代論
第4章 のび太はスクールカーストの日本最初の被害者なのか―学校を舞台としない物語の教育論
第5章 野比家は郊外に住んでいなければならない―練馬区月見台の郊外論・家族論
第6章 じつはパラレルワールドだった!―ドラえもん作品史研究序説
著者等紹介
中川右介[ナカガワユウスケ]
1960年東京都生まれ。「クラシックジャーナル」編集長。早稲田大学第二文学部文芸科卒業。幼少期よりアニメ、マンガに親しむ。少年期はSF、ミステリに浸る。青年期からクラシック音楽にはまる。出版社IPC編集長時代はおもに写真集を出版、93年に出版社アルファベータを興し、代表取締役編集長に就任。音楽家、映画作家、文学者などの評伝や音楽書の編集・出版と並行して、クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲などの分野で著作活動も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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