PHP新書<br> 源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか―『ドラえもん』の現実(リアル)

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源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか―『ドラえもん』の現実(リアル)

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  • サイズ 新書判/ページ数 235p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569818184
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0295

出版社内容情報

政権交代、フェミニズム、スクールカースト……現代日本のあらゆる問題が『ドラえもん』に書かれていた! 前代未聞の社会学的マンガ論。

【著者紹介】
評論家、「クラシックジャーナル」編集長

内容説明

クラスでいちばんかわいい女の子しずかちゃんが、いちばん凡庸な男の子の妻となる現実。最大の武力の持ち主ジャイアンと最大の資金力の持ち主スネ夫が、タッグを組まなければならない現実。たとえいじめられても、いじめっ子と絶縁する道を選べない最下層カーストにいるのび太の現実。ドラえもんが歩いていても驚かれない、地域コミュニティが崩壊した郊外に住む野比家の現実―『ドラえもん』で描かれる人間関係は、はからずも現代社会の縮図なのである。空気のような存在ゆえに、かえって論じられてこなかった国民的マンガを社会学的に考察。なんともせつない深すぎる「ドラえもん日本原論」。

目次

第1章 しずかちゃんの行動は冷静に考えればよくわからない―紅一点のフェミニズム批判
第2章 ジャイアンとスネ夫はまるで民主党政権である―ガキ大将とボンボンの政治学
第3章 「ドラえもん世代」は存在するのか―体験的ドラえもん時代論
第4章 のび太はスクールカーストの日本最初の被害者なのか―学校を舞台としない物語の教育論
第5章 野比家は郊外に住んでいなければならない―練馬区月見台の郊外論・家族論
第6章 じつはパラレルワールドだった!―ドラえもん作品史研究序説

著者等紹介

中川右介[ナカガワユウスケ]
1960年東京都生まれ。「クラシックジャーナル」編集長。早稲田大学第二文学部文芸科卒業。幼少期よりアニメ、マンガに親しむ。少年期はSF、ミステリに浸る。青年期からクラシック音楽にはまる。出版社IPC編集長時代はおもに写真集を出版、93年に出版社アルファベータを興し、代表取締役編集長に就任。音楽家、映画作家、文学者などの評伝や音楽書の編集・出版と並行して、クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲などの分野で著作活動も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

39
ユニークなタイトルに思わず感心。ドラえもんに対する視座として、著者は男性だから、女の子も楽しめるようなものも(31頁)、という発想は盲点であった。また、ドラえもんには女性蔑視と女性敵視も隠れているとは(3頁)思いもしなかった。常識を批判的に捉えることを思い知る指摘だと思う。かわいい女の子以外の属性を曖昧にしているとも(33頁)。今でいうAKBにでも入れそうな感じのレベルの可愛さだとは思うけど。彼女の入浴シーンが問題視されてもいる(40頁~)。  2014/09/28

宇宙猫

30
★★ しずかちゃんがフェミニストの辛辣な批判にさらされているとか。半世紀も前のマンガ設定なのに滑稽だ。著者の映画での戦闘少女の面が語られていないにも違和感。「STAND BY ME ドラえもん」はスルーされてるしなって思ったら出版は映画の前だと後から気づいた。タイトルとSTAND...のギャップが気になって読んだので残念。 入口がここだったから、その後の分析にも懐疑的に読んでしまった。2020/11/01

魚京童!

29
題名の答えがないし、論証は薄いし、政治批判にもっていくし、ただのクズ。読んで損した。2014/07/08

明智紫苑

24
日本のソウルフードならぬ「ソウルコミック」の考察本。「ジェンダー」という観点からしずかちゃんを分析するなら、のび太やスネ夫の「男性アンチヒロイン」要素やドラえもんの「疑似母性」などに目をつけても良さそうだと思う。あと、出来杉君は単なる「男の子」というよりもむしろ「宝塚の男役トップスター」みたいなポジションだと思うね。2018/05/01

ふく

22
「ドラえもん」に対して持っているイメージは、(1)アニメだけしか知らない人と、(2)原作まんがも読んでいる人と、(3)異色短編まで知っている人と、それぞれ異なるだろうと思います。大山のぶ代さんによる「ホンワカパッパ」なイメージの方には、原作まんがのかなり過激な「爆笑」要素も知っていただきたいし、「深読み」を「考え過ぎ」と断じる方には、異色短編に触れて藤子F先生の奥行きを感じていただきたい、と思ってしまいます。余計なお世話かもしれませんけれども。2014/09/29

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