内容説明
父の病院を継いだ医師・和久井ルナ。その病院には、彼女のワクチンの効果を耳にした様々な患者が訪れる。このワクチン、とある病に効くというのだ。ワクチンを投与された患者は、確かに快癒するのだが…。クスリと笑える、ちょっぴりビターな連作短篇集。
著者等紹介
西山繭子[ニシヤママユコ]
1978年、東京生まれ。女優、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
18
奥田さんのDr.伊良部のレディ版という感じ。人から見たらマイナスとは思えないような、人見知りだったりあがり症…という症状をワクちんで治すルナ医師。ぽっちゃりナースの月子さんとのコンビネーションもとても良い。 『脳内記憶断片覗見装置・のぞき2号』の設定もありがちだが、のぞき見大好きの月子さんのキャラにぴったりで面白い。色とりどりの薬を配合するワクちんや、のぞき2号の設定などは、男性には軽すぎるかもしれないが若い女性作家らしく好感が持てる。悩みを解消してもらったものの…というビターな展開も面白い。続→ 2011/05/19
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
13
全然知らない作家さんだったし(実はこの方女優さんでもあるらしい)、なんとなくタイトルに惹かれて借りてきたので期待はしていなかったのだけど・・・ 意外や意外!面白かったです♪ どんな悩みもココへ言ってワクチンを注射すればお悩み解決! でも、悩みは解決されても不孝になる人が多いのはナゼ?? 主要人物の名前がみんな「月」関係なのも気になるし、この感じだとカルテをどんどん増やしていけば連作が生まれそうな予感 これから楽しみにして待ってます♪2011/01/26
sena
7
上がり症や優柔不断などをワクチン投与で治してくれる医者がいたら、治療に行きますか?治すことで幸せになるとは限らない。ブラックな味わいの物語。2012/08/18
@com
6
ワクちんをうった私・・・うたなかった私・・・うたれなかった私・・・分岐点で別れた別々の世界。どの選択が良かったか正しかったかは、どの世界の私にもわからない・・・2012/01/28
とこっぷり
4
読友さんの感想を読んで興味を持った一冊。こんな病院があったらいいなぁ~と思う反面、本の内容のように、自分が思う弱点を治してしまうことがいいのかどうか考えてしまいました。弱点も自分、好きになって受け止めてあげないといけないなぁ。2011/03/02