出版社内容情報
写真家・星野道夫の没後20年の節目に、星野の熱い生き方を紹介する。『星野道夫物語』(ポプラ社)を大幅に加筆・修正。
【著者紹介】
児童文学作家
内容説明
果てしない夢に挑んだ伝説の写真家。アラスカを拠点にして、永遠のいのちを求めつづけた星野道夫。その生涯を、書籍初公開の写真も交えて紹介する。小学校高学年・中学生向け。
目次
第1章 シシュマレフ村から始まった
第2章 野球と映画の好きな男の子
第3章 あるぜんちな丸でアメリカへ
第4章 慶應義塾大学探検部
第5章 アラスカが呼んでいる
第6章 アラスカの原野を旅する
第7章 半月、快晴、オーロラ
第8章 はじめての写真集
第9章 アラスカ 風のような物語
著者等紹介
国松俊英[クニマツトシヒデ]
滋賀県に生まれる。同志社大学卒業。日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、日本野鳥の会会員。童話・創作のほか、ノンフィクションや科学読み物を書いている。『トキよ未来へはばたけ』(くもん出版)で第7回福田清人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鴨ミール
48
星野さんの著書は何冊も読んでいるが、星野さんのことを書いた本はあまり読んだことがなかった。この本は児童書であるため、ふりがなもついているし星野さんのことを知るためにはとても役に立つと思った。星野さん自身の写真も、見たことのない若い時代のものもいくつかありました。今年は学校で読み聞かせのときに、高学年で星野さんのことを紹介したいと思っている。次の世代に伝えることが、読み聞かせの役目だから。2023/01/23
ぶんこ
46
巻末に奥様の「今まで知らなかったエピソードや夫の一面を知ることができました。」の言葉に、この本の最大の利点が表されていると感じました。改めて多くの人に好かれて、自然と力になりたいと思わせる方だったと痛感。高2でのアメリカ一人旅を許した父、家族が祖母を大事にしていたからの老人との親しい交流。シシュマレフ村への直訴は有名ですが、同時に7つの村へも出していた!アラスカ大学入学に30点足りなく入学不可となり、学部長に直訴。夢を諦めない強い意志。最高の写真を撮る為には何日でも待つ忍耐。この本が児童書とは思えない。2023/04/13
もとむ
35
1996年にヒグマに襲われて絶命した写真家、星野道夫さんの生涯が、星野さんの写真さながら、様々な描写によって描かれている。読み終えて素直に浮かぶ言葉が「尊い」。それは星野さんの写真であり、生き様であり、愛した大自然であったり…。「尊い」という言葉が頭から離れない。何という清々しい人生だったのだろうか。星野さんの亡くなられた1996年は、僕の憧れの宮沢賢治の生誕100年にあたる。星野さんは生前、友人に「宮沢賢治 鳥の世界」という本を勧めたこともあったとか。その繋がりには不思議な御縁を感じる。改めて合掌。2025/08/10
けんとまん1007
25
一連の素晴らしい作品の背景にあるものが、とてもよく伝わってくる。子どもの頃からのことがあっての作品だと思った。本人、ご家族、様々な出会いや、環境など、いろんなものの結晶。自分で思ったことを実現するための努力が凄い。生半可なものではない。それと、苦しいことの中にも、楽しみを見出す力が素晴らしい。写真をおとして、彼がうった続けたものはなにか。それを、考えずにはいられない。2016/07/10
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
30年度ブックトーク授業6年生 読書感想文に向けて。 『ナヌークの贈り物』で子ども達に知られていた星野さん。亡くなった事は知ってませんでした(1996年8月8日没 43歳)。もちろん死亡原因も…。ホッキョクグマやクジラの迫力ある写真を見て、「知ってる!」と言った子どもたちのなんと多かったことか…。でも星野さんが遺された数々の写真や言葉は遺された者に繋がっていると思いました。2018/07/20