出版社内容情報
生まれつき体が不自由で、車いす生活をしている十二歳の少年、テオ。 ある日、テオは「ありがとう」を言うのをやめることにした。
【著者紹介】
フランス語翻訳家
内容説明
体が不自由なせいで、みんなより多く「ありがとう」と言うことに嫌気がさした十二歳のテオ。そこで、ひとりでできることを増やしさらに、「ありがとう」を「もらった数」をノートに書き留めることに…。2013年フランス最優秀障がい者書籍賞(児童書部門)受賞作。
著者等紹介
ル・グイック=プリエト,クロディーヌ[ルグイックプリエト,クロディーヌ] [Le Gouic‐Prieto,Claudine]
フランスの児童文学作家。フランス人学校の教師として、多くの国で暮らした経験があり、日本で現在の夫と知りあった。自身も障がいのある子どもをもつ母親でもあり、アルゼンチン・ボリビア障がい児協会の責任者をつとめている。『テオの「ありがとう」ノート』は最初の作品で、フランスにて2009年中学生が選ぶマルグリット・オードゥー賞、2013年最優秀障がい者書籍賞(児童書部門)を受賞
坂田雪子[サカタユキコ]
フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えりこんぐ
61
障がいや麻痺があっても、限界は決めつけちゃいけない。娘を10年育てて思ったこと、この本を読んで改めて実感しました。置かれた環境の中で出会う人たち(ここではテオに卓球を教えてくれたパトリス)から、素直に吸収する気持ちがあればどんどん変われるよ。親は自分の子供のために人に頭を下げる事なんて、なんとも思わないよ。苦しくなった時にまた再読しよう(´∀`*)2017/09/19
みー
12
正直感想が難しいな・・。全くの健常の方が読むのと、実際に障がいを持った方が読まれるのと、障がい児を育てている身うちが読むのとでは、感想が変わってくるのではないかな・・。それでも・・思春期と反抗期に差し掛かって、自分の障がいと向き合い、受け入れ成長していく姿は応援したくなる。うちの子も先天性の障がいがあって「健康」というものを知らないので、よく「もし、ぼくが元気だったら・・」と言うのよね。まだまだ障がいを受け入れられない子供を見て、親として本当に辛いんだよね・・。「ありがとう」大切にしていきたい。2016/09/28
奏
9
生まれつき障がいを持つテオは、何をするにも介助が必要だ。でも、「ありがとう」ばかりを口にする毎日にうんざり。もう「ありがとう」は言わないと決めたその日からテオの新しい一歩がはじまる。親や友達との関係、自分の中に生まれてくるコンプレックスや存在意義など、障がいの有無に関わらず、避けては通れない葛藤と向き合う姿は同年代の子どもたちも共感できるはず。テオが自分の生まれた時のことを母親と話す場面ではテオの言葉に胸が痛かった。「ありがとう」をきちんと受け取り、言葉で伝える人でありたいと思った。 2023/01/05
のに
9
主人公の気持ちが切なくも感動です。そして、尊敬してやみません。 友達や施設の方々はもちろん、親御さんや祖父母、弟といった周囲の人達の思いにも触れ、それぞれの立場での感情が素晴らしく表現されていました。2022/04/03
あーちゃん🥰@低浮上
9
〝ある日、テオは「ありがとう」と 「すみません」を言うのをやめることにした〟2020/10/09