出版社内容情報
計300回、25年もの間、一度も欠かすことなく続けられた連載時評コラム「巻末御免」(月刊誌『Voice』)を、完本として発刊。
希代の読書家にして、書誌学者。しかし、著者の真骨頂は、時代の「空気」を素早く察知し、洞察し、そのうえで「えいやっ!」と気合を入れて、鋭く斬り込んでいくコラムにある。本書は、25年もの間、月刊誌『Voice』連載の時評コラムとして続けられた「巻末御免」計300回を、<完本>として纏めたものである。著者は、最終回の平成21年12月号まで、病に悩まされた時があろうとも、一度も休むことなく、毎回、渾身の一閃を読者に提供し続けてきた。このコラムニストとしての気概に、往年のファンの方々は、心を揺り動かさずにはいられないだろう。次第に忘れ去られようとしている昭和という時代から、いまの平成の世まで――移りゆく時代の「風」をつかみつつも、けっして流されることなく、著者は書き手として、独自の「煌き」を放ち続けてきた。本書の内容が、より多くの読書人、そして多くの日本人の、心の琴線にふれることを、念じてやまない。
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[I]巻末御免
●解氷記 ――あとがき
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[II]私の見るところ
●編集者と著者との雑談
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[III]この国の不条理
●あとがき
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[IV]再び、巻末御免
内容説明
昭和60年1月号より平成21年12月号までの25年間、計300回一度も休むことなく続けられた、『Voice』連載・名物時評コラム堂々完結。
目次
1 巻末御免(ソ連に「隷属」せよと勧める編集長;答えられるかな家永三郎 ほか)
2 私の見るところ(二万六千二百七十日;開高健 ほか)
3 この国の不条理(時流;表裏 ほか)
4 再び、巻末御免(教育委員会;質問 ほか)
著者等紹介
谷沢永一[タニザワエイイチ]
昭和4年、大阪市生まれ。関西大学国文学科大学院博士課程修了。関西大学文学部教授を務めた後、平成3年退職。専門の日本近代文学、書誌学の分野はもとより、該博な知識に裏打ちされた社会評論には定評がある。『完本紙つぶて』でのサントリー学藝賞をはじめ、大阪市民表彰文化功労賞、大阪府文化賞、読売文学賞、毎日書評賞など各賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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