出版社内容情報
文豪たちの知られざる逸品を読み解く。
夏目漱石、太宰治、三島由紀夫、尾崎翠……。あの文豪が、こんな作品を? 近現代の作家12人の隠れた名作を丹念に読み解く。
「代表作」ばかりが名作ではない。作家たちが残した、あまり知られていないけれども極めておもしろい作品の数々。そこには、書き手の意外な一面や素顔がちらりと顔をのぞかせることも。裏まで奥まで、丹念に読めば読むほど深まる、小説の愉悦がここにある。
▼異国の人魚に魅入られた皇帝の退廃と耽美の物語(谷崎潤一郎『人魚の嘆き』)、出生の秘密を抱える妹と兄とその友人の秘やかな三角関係(尾崎翠『無風帯より』)、女の片腕と過ごす奇妙な一夜に漂う孤独なフェティシズム(川端康成『片腕』)、女学生の一人語りで綴られる、自己を超越した自意識(太宰治『女生徒』)、冷感症の美女と精神科医の男の艶かしくも知的な駆け引き(三島由紀夫『音楽』)……。その他、夏目漱石、萩原朔太郎、芥川龍之介、宮沢賢治、梶井基次郎、吉行淳之介、多和田葉子と、彩り豊かな作家計12人が勢ぞろい。あなたにとっての名作が、きっと見つかる。
[挿画:宇野亜喜良]
●まえがき
●<1>進化論を超えて 夏目漱石『趣味の遺伝』
●<2>輸入品としての「気分」 谷崎潤一郎『人魚の嘆き』
●<3>逆さまから見る世界 萩原朔太郎『猫町』
●<4>語り手は「私」ではない 芥川龍之介『蜜柑』
●<5>「法」と「道徳」 宮沢賢治『月夜のけだもの』
●<6>重ね合わされる秘密 尾崎 翠『無風帯から』
●<7>淋しいフェティシズム 川端康成『片腕』
●<8>眩暈のような自意識 梶井基次郎『泥濘』
●<9>自分を超える自分 太宰 治『女生徒』
●<10>言葉と戯れる恋人たち 吉行淳之介『夕暮まで』
●<11>否定的な自己肯定 三島由紀夫『音楽』
●<12>紙の上の出来事 多和田葉子『時差』
内容説明
「代表作」ばかりが名作ではない。作家たちが残した数々の小説のなかには、あまり知られていないけれども極めておもしろい作品が存在する。そこには、作家の意外な一面や素顔がちらりと顔をのぞかせることも。裏まで奥まで、丹念に読めば読むほど深まる、小説の愉悦がここにある。夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介、太宰治といった文豪はもちろん、萩原朔太郎、宮沢賢治、近年再評価の進む尾崎翠や、現在活躍する多和田葉子など、彩り豊かな作家十二人が勢ぞろい。あなたにとっての名作が、きっと見つかる。
目次
進化論を超えて―夏目漱石『趣味の遺伝』
輸入品としての「気分」―谷崎潤一郎『人魚の嘆き』
逆さまから見る世界―萩原朔太郎『猫町』
語り手は「私」ではない―芥川龍之介『蜜柑』
「法」と「道徳」―宮沢賢治『月夜のけだもの』
重ね合わされる秘密―尾崎翠『無風帯から』
淋しいフェティシズム―川端康成『片腕』
眩暈のような自意識―梶井基次郎『泥濘』
自分を超える自分―太宰治『女生徒』
言葉と戯れる恋人たち―吉行淳之介『夕暮まで』〔ほか〕
著者等紹介
石原千秋[イシハラチアキ]
1955年東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程後期中退。現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
退院した雨巫女。
ととろ
ottohseijin
し、も、だ、
AR読書記録