出版社内容情報
老舗料亭の亭主・朱堂旬の正体は、人気写真家だった!? 京都の四季を背景に、迷える人々の悩みを美食で癒やす、好評シリーズ第2弾。
内容説明
京都の老舗料亭の当主・朱堂旬は、番頭に仕事を任せて遊んでばかり―と周囲には思われているが、じつは人気写真家・金田一ムートンとして、葵祭や祇園祭、十日ゑびすや紅葉の名所等、京都の風物を撮影していた。彼のカメラがとらえるのは景色だけではなく、訪れる人々の秘めた悩み。「松葉」のにしんそばなど、京都グルメでその心を癒しながら、ムートンは彼らの問題を解きほぐしていく。文庫オリジナル。
著者等紹介
柏井壽[カシワイヒサシ]
1952年、京都市生まれ。大阪歯科大学卒業後、京都市北区に歯科医院を開業する。京都および日本各地の旅紀行やエッセイを執筆。テレビ番組や雑誌の京都特集でも監修を務める。柏木圭一郎名義で「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズを執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
91
京都のうまいもんと名所案内が人情噺を交えて読める。茗荷を食べると物忘れするといわれるようになった由縁や和ろうそくと洋ろうそくの違いなど、ちょっとした物知りになれるのもありがたい。「鉄板洋食 鐵」のハラミステーキランチ、「グリル富久屋」のフクヤライス、「うどんや ぼの」のカルボナーラうどん、「松葉」のにしんそば、うまそうです。先週京都に行く前に本書を読んでいたら「ホホホ座」から「恵分社一乗寺店」を廻って「うどんや ぼの」に行ったに違いない。しまった。もう少し早く読んでいればなぁ・・・。2019/05/17
カメ吉
69
シリーズ2作目で5話からなる短編集。盛り上がりには欠けるけど良い話と各話ごとに名所と食べ物屋を紹介しててガイド本としても興味深く楽しめる。老舗料亭の当主でもう一つ人気カメラマンという2つの顔をもつ主人公という設定は少し苦しいけど京都の良さをアピールするにはうってつけの設定か? 今回も正体がバレなかったんで次もあるかな?京都弁が心地良い作品でした。2019/05/26
ジュール リブレ
48
続けて2冊目。京都観光のいいガイドブックになりそうですね。祇園さん、の謂れやらなにやら、知らない世界を教えてくれます。とはいえ、京都の人、には、なれず、単なる観光客、でしか行けないでしょうが。祇園の一見さんお断りのウナギ屋さん、行ってみたいな~。2019/08/07
ユメ
43
謎解き要素×人情噺というこれまでの作品の路線は引き継ぎつつ、実在のお店が作中に登場したり、章末に著者のコラムがあったりといった独自の京都案内も加えた新シリーズ。今回はムートンが単に京都の名所を訪れるだけでなく、十日ゑびすに葵祭、祇園祭の無言詣といった伝統行事、そしてそれらを守り続けてきた京都の文化の土壌にも踏みこむ内容だったのがよい。鴨川父娘とはまた雰囲気の異なる探偵役ムートンもなかなか好きだ。十日ゑびすで思い出の壺と再会した女性、そして無言詣をしていた女性、離れ離れになった家族の物語が印象深かった。2019/06/04
anne@灯れ松明の火
35
シリーズ2。隣市新着チェックで予約。老舗料亭の若旦那とカメラマンの二足のわらじを履く主人公。京都の名所とグルメを案内するガイドブック的な短編連作集。謎はそれほども出てこないし(笑)解いてない場合もある(笑) さらさらっと読みたい時、特に京都への電車で読むのはオススメかな。行ってみたいお店は増える。2019/08/29