出版社内容情報
鯖猫長屋に取り壊し騒ぎが起き、慌てる住人達のもとにやって来たのは……。長屋で一番偉い猫サバが主役の謎解き&人情シリーズ第二弾。
田牧大和[タマキヤマト]
作家
内容説明
鯖縞模様の三毛猫サバが一番いばっている「鯖猫長屋」が、住人が減って存続の危機に!そんな折、団扇売りを生業にする色男が、長屋に引っ越してくる。どうやらそこには、サバが一枚噛んでいるらしい。一方、「黒ひょっとこ」の異名を持つ元盗人で、今はサバの飼い主である画描きの拾楽にも、怪しげな影が近づいてきて…。江戸を舞台にした、謎と人情あふれる好評「鯖猫長屋」シリーズ第二弾。
著者等紹介
田牧大和[タマキヤマト]
東京都生まれ。2007年、「色には出でじ、風に牽牛」(刊行時に『花合せ』に改題)で小説現代長編新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪風のねこ@(=´ω`=)
154
元義賊の拾楽が言う事だから重みがある。その拾楽を動かす縞三毛の大将は凄いものである。いざとなればいけ好かない成田屋の旦那にも加勢する。そこでのってやる拾楽も流石だと言いたい。今回は拾楽や大将ではなく周囲の人々が良く動き事件を解決していく。拾楽も長屋に心から馴染めてきたのだなと思う。既出人物のあらましを丁寧完結に記すなど間が開いてても安心な心遣い。楽して手に入れた物はろくな使い道をしない。だが、そうして棄てる様な使い道でも、そうしなければ得られない、掛け替えのない物もあるのだ。2017/10/15
ぶち
104
第2巻になって、やっとタイトルが "ふしぎ草紙" となっていることに得心がいきました。人でないものが憑いているお話が多いとは思っていましたが....捨楽の部屋を助けを求めるように訪ねてくる動物たち。最初は未だ子猫だったサバ、2回目は犬のアジ (ここまでは一巻目までのお話し)、3回目は女の子と子犬。タイミングも理由も、神様のお導きとしか言いようがありません。それにしても、犬の飼い主への想い、飼い主の犬への愛には、この巻でもたっぷりと泣かされました。新たに加わった子猫の "さくら" の今後が楽しみです。2019/08/06
sin
104
各章の不穏な前書きが主人公たちの暮らしに影を落としてその行く末が案じられるが、案外とわかりやすく登場する影の黒幕はご愛嬌…そして賢い猫の大将も勿論健在です。今回物語の中のある人物の一言が深い!「女房の顔を思い出せるか…若い頃の顔じゃなく、昨日今日の…」そうやね、相方に慣れてしまって自分は判って貰えてるって甘えて、ちゃんと相手を思いやることを忘れてはいないだろうか?2017/04/30
タツ フカガワ
89
猫の習性を楽しみつつ人情話に引き込まれる4編。とはいえ「猫描き、預かる」の、犬との情愛にほろりとしました。また今回は猫絵師拾楽の元の稼業(盗人)に関わる復讐譚が陰で進行、終章のクライマックスも楽しみました。2018/03/11
雅
88
腹の探り合いは読んでて楽しい。猫とのやりとりは癒やされる2018/06/20