出版社内容情報
落語界における師匠と弟子の、厳しくもやさしさに溢れた関係を、立川談志に育てられた著者が自身の経験を盛り込んで描く短篇小説集。
立川談四楼[タテカワダンシロウ]
落語家
内容説明
小言、失敗、荷物持ち。憧れ惚れた師匠だもの。ついていきます、どこまでも―。大学の講師を頼まれた師匠についていったキャンパスで、師匠が狙っていた女子大生から好意を寄せられて…(「講師混同」)。病を抱える師匠のお供で雪国へ。高座の翌朝、師匠がいない!?意外な場所で佇む師匠が見つめていたものとは?(「すず女の涙」)。師匠に振り回される若手噺家の悲哀を織り交ぜつつ、師弟の情を描いた短篇五席。
著者等紹介
立川談四楼[タテカワダンシロウ]
1951(昭和26)年、群馬県生れ。1983年11月、立川流落語会第一期真打となる。真打昇進試験をきっかけに、落語界の将来に疑問をもち、書き綴った処女作「屈折十三年」で文壇デビュー。1990年、初の小説集・単行本『シャレのち曇り』(文藝春秋)を刊行。以後、落語家の活動と並行して、テレビ、ラジオの出演のほか、講演会等多忙の中、作家としても新聞、雑誌に連載エッセイやコラムを書き続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
21
赤めだかのような落語界を舞台に自伝的な内容かと思って読んでいたが、全然違った。タイガー&ドラゴンで落語に興味持ち、寄席にも一度だけ行きました。落語界の話しは面白い。病気の話しが多くてちょっと暗い気分になってしまったのが残念。先立つ幸せの遺書は今までの遺書で1番幸せなものだったかも2025/03/23
ぎん
11
噺家についての話。 どれもなかなか面白いが泣ける話が良かった。2017/06/08
やむやむ
3
最近、落語を聴く機会が増え、落語家さんへの興味が出てきたところに図書館の棚でこのタイトルと著者名に遭遇。エッセイ的な話かなと軽い気持ちで読み始めたけれどもどうして。落語の世界を舞台に師匠を世話をしながら成長していく前座達と、前座の世話を見ながらその道筋を作って開いていく師匠達の、短くも濃い物語かぎゅっと。 中でも、「先立つ幸せ」は美しく最後は涙が溢れた。 中に出てくる噺は知らないものもまだ多く、ゆっくり落語を聴く時間をキープしながら、この談四郎師匠の小説の読了数も増やしていきたいものである。 2017/07/23
西澤 隆
2
「先立つ幸せ」の主人公の益蔵師匠への思いには、再読したばかりの協会分裂顛末記「ご乱心」での円丈にとっての五代目圓楽が重なった。噺家はみんなどこか破れたひとの凄い芸の吹きだまり。こういうこじらせた行き違いは一杯あるのだろうな。そして、それだけいろんな面でこじらしていてなおついていきたいと願う師匠。「人」に惹かれてなにかを受け継ぎたいと願うことのいろんな形での「!」。それぞれの短編が実に現代的お行儀の良さとは無縁のやらかし加減で、それがとても人情の機微に触れしんみりとする。なんとも落語のような短編集なのです。2020/09/01
アルファ
0
ファイティング寿限無がおもしろくて、談四楼師匠の本を読み始めました。内容的には、短編仕立てでサクサク読了。2017/02/09
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