出版社内容情報
お願い、助けて――亡くなったはずの友が必死に訴える。胸騒ぎを感じたおいちは……。大人気の青春「時代」ミステリーシリーズ第二弾!
【著者紹介】
国際ビジネス・コーディネーター、著述家
内容説明
江戸深川の菖蒲長屋で、医者である父・松庵の仕事を手伝うおいちは十七歳。父のような医者になりたいと夢を膨らませているのだが、そんなおいちの身にふりかかるのは、友の死、身内の病、そして出生の秘密にかかわる事件等々。この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、亡き友の無念を晴らそうとするのだが…。人気の青春「時代」ミステリー・シリーズ第二弾!
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年(昭和29年)、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校の臨時教師を経て、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~4』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
101
シリーズ二作目。最初のページから緊迫した場面。おいちは辛い出来事に見舞われる。〈人は儚いけど強靭だ〉自分が進みたい道は茨の道だが今回の経験を通して心が決まる。たおやかに健気に生きるおいちの今後を応援したい。桜は綺麗だけど怖いというのもなんとなくわかるな。おいちが言ったその情景を思い浮かべてしまった。【春を感じよう 読書会】2019/04/02
ぶち
100
第1作よりも、ミステリー色が濃くなって、事件やその謎解きがサスペンス調で迫ってきます。それにしても、おいちの幼馴染三人娘の一人、おふねちゃんがあまりにも哀れです。あんなにいい子たちなのに...犯人が憎い。今作に登場してきた悪徳医者やごろつきどもは、ほんとうにクズ男。それに比べて江戸時代の女性が低く置かれていることに、おいちや叔母のおうたなどの登場してくる女性たちや読者もやきもきした気持ちになります。そんな時代でも医者になろうとするおいちを応援したくなります。おいちが希望する道に進めますように...2022/06/14
優希
81
物語に緊迫感が漂いますね。人の生死がふりかかってくるからでしょうか。おいちの医療に対する姿勢もそうですが、人情にも篤い真摯さにじんわりきました。友の死、身内の病、出生の秘密に関わる事件に心苦しくなります。自分の能力で亡き友の無念を晴らそうとする友情には胸が熱くなりました。色々あるけれど、おいちには強く生きて欲しいと思います。前作に比べ、不思議要素は少なめですが面白かったです。2015/09/26
がらくたどん
78
道行く視界に入る桜の蕾がずいぶん膨らんできた。桜が舞う頃を想い桜待ちの1冊を。貧乏長屋で庶民の病と向き合う父の背を追い「医師として立つ」日を夢見る少女の青春時代小説。おいちとその幼馴染の少女ふたり。無邪気な少女時代の満開の桜の記憶を最後に、各々生まれた境遇や女性であるという現実に飲み込まれそうな10代半ばの花吹雪。散らされた命・突風に巻き上げられる命・護りたい一念で風に逆らい舞う命。まさにガールズ・ストーリー。おいち自身の出自の秘密も絡み、憧れを現の未来に引き寄せようと懸命に進む姿が眩しくとても愛おしい。2023/03/13
はつばあば
62
今回は幼馴染みが毒牙にかかってしまいました。おいちと同じ17歳。男は見かけや職業だけじゃダメだと親は教えなかったのか、あたら若い命をと。この前はおいちも16だったがもう角の立つ年増の部類に入ってきたのかと「おうた」じゃないが表紙の絵がモヤモヤする。おいちの出生の秘密も明らかになりますが、簪職人の新吉さんが次回はどんな登場の仕方をするか楽しみです。あさのさんの「闇医者おゑん」の幼い頃っておいちのようだったかしら・・。おゑんの周りに松庵さんやおうたさんがいればもう少し明るいおゑんさんだったかも。2018/05/16