出版社内容情報
武田信玄の躍進を支えた真田家随一の剛将・真田信綱。弟の謀将・昌幸が心から尊敬し、甥の勇将・幸村が己の目標とした男の激闘を描く!
【著者紹介】
作家
内容説明
川中島、上野、小田原、三方原合戦…。三尺三寸の「青江の太刀」を馬上から操り、信玄の快進撃を支えて智将の父・幸隆とともに武田家中で確固たる地位を築いた剛将・真田信綱―。最期は勝頼をかばい設楽原で壮烈な討死を遂げるも、信綱なくして“戦国の真田家”はなかった。謀将で名高い弟・昌幸が心より尊敬し、甥の勇将・幸村が「己の目標」と憧れ続けた男の激闘の生涯を描く!
著者等紹介
近衛龍春[コノエタツハル]
1964年、埼玉県生まれ。大学卒業後、暫しオートバイレースに没頭。その後、通信会社勤務を経て、フリーライターに転職。『時空の覇王』(ベストセラーズ)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
81
面白かったです。真田昌幸が最も尊敬した一族の豪商が真田信綱。マイナーな武将ですが、その手腕たるものは想像を超える凄いものがありました。猛将タイプというのは当時の武将にしては珍しいタイプなのではないかと。武田家中の中で確固たる地位を真田が築いたのも信綱の活躍あってこそのものでしょうね。また、川中島の戦いが通説と異なる解釈なのが新鮮です。幸村も己の目標と掲げた男。その激動の生涯はとても興味深いものでした。2017/08/15
future4227
24
世の中が幸村ブームなので、敢えて同じ真田でもちょっとマイナーな武将を狙ってみました。主人公は昌幸の長兄にあたる信綱。知謀派の真田家では珍しく猛将タイプ。ちょっと思慮に欠ける張飛のような感じ。この本の面白いところは川中島の合戦が通説と異なる所。有名な第四次川中島合戦において、そもそも上杉謙信ともあろうものが、敵中の真っ只中の妻女山に布陣するわけがないという新解釈。一応啄木鳥の戦法も一騎討ちもあるけれど、謙信と信玄の布陣が微妙に違うので、新鮮な川中島合戦が楽しめる。2016/03/09
Book Lover Mr.Garakuta
19
図書館本【速読】:武家の慣わしに則った本で、智将と言うよりは武勇で名をはせたという感じ。戦国真田家の勇猛な軍人(武将)の一人。取り巻きも凄いです。2021/10/16
Bibliobibuli
13
また一人、勇猛かつ賢明な武将を知ることができました。すべての事が見えているのに、最期はいさぎよく決めたような感じがしました。それにしても真田一族のメンバーは皆、すごいですね。まだ未読の長編「真田合戦記」「真田太平記」「真田三代」等を読むのが楽しみになりました。(戦国武将を全般的にもう少し勉強してからこれらの長編に挑みたいと思っております。)2017/10/25
maito/まいと
12
父・幸隆、弟・昌幸に囲まれ、割と目立たない?兄・信綱を描いた歴史小説。史料がそれほど多くはないはずなのだが、父や弟、そして信玄や勝頼、義信との人間関係から、そのキャラクターを浮かび上がらせた近衛さんのすばらしい引き出し方で、真田家の嫡男としての強さや勇ましさがにじみ出ている1冊。長篠の戦いは武田家崩壊のきっかけになってしまったが、真田家にとっても辛い結果だったなあ。2013/10/25