PHP文芸文庫<br> 妖恋

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PHP文芸文庫
妖恋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 246p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569760452
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

冬に咲く桜の木の下で死ぬと望みがかなうという……。四季の風物に彩られた、江戸の七つの恋を妖しく切なく描く、珠玉の時代小説短編集。

【著者紹介】
作家

内容説明

年下の火消し鳶と祝言をひかえた女が、火事の夜に知ってしまった男の秘密に、自らの暗い深淵を覗き込む「心中薄雪桜」。菊作りに精を出す隠居した男が月夜に出会った、娘姿の人形を操る不思議な少年に魅せられてゆく「十六夜鏡」。変化朝顔に魅入られた男女の虚ろで残酷な恋の末路を、無垢な少女が見つめる「濡れ千鳥」など、江戸の四季の風物に彩られた七つの妖しく切ない恋のかたちを描く、珠玉の短編集。

著者等紹介

皆川博子[ミナガワヒロコ]
1930年生まれ。1973年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞。以後、ミステリー、幻想文学、時代小説、歴史小説と幅広いジャンルの作品を精力的に発表しつづけている。1985年『壁 旅芝居殺人事件』で日本推理作家協会賞、1986年に『恋紅』で直木賞、1990年に『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、1998年に『死の泉』で吉川英治文学賞、2012年に『開かせていただき光栄です』で本格ミステリ大賞を受賞。また2013年には、日本のミステリー文学の発展に寄与した功績が認められ、日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

YM

86
恋とは夢か幻か。今日もあなたに会えるでしょうか。。2015/04/04

優希

57
江戸の四季の風物に彩られた恋が妖しくも切なかったです。時に狂気すら感じさせ、気がつくと目の前にある世界が彼岸になっている風景が怖いけれど心地良かったです。曖昧な境界線、踏み越える恐ろしさ。現が幻になり幻が現になる妖艶な世界。甘美なる闇に誘われ、描かれている恋に魅せられるのでしょう。迷い続けて終わらない世界に浸る感覚が何とも言えない気分にさせますね。2014/12/17

mii22.

45
現実と幻想の境界を往来するような妖しく艶やかな江戸の恋物語7篇。日本語の豊かさ美しさを感じながら粋な江戸の生活とそこで繰り広げられる命をかけた男女の恋に酔わされる。題名も言葉の響きも美しい流麗で情緒的な文章表現は日本美そのもの。2016/11/21

tomoko

35
皆川さんの時代物は初めて読んだ。七つの短編だが、幻想的で妖しく儚く、そして美しい。蛍や朝顔、菊などが、色恋の切なさ、季節感、絶望感を際立たせている。皆川さんが紡ぐ様々な言葉、語句の美しさは、日本語でなければ表現できないだろうな…と思いながら、その世界に引き込まれていった。2019/07/14

絹恵

35
此岸に立つ者と彼岸に立つ者は交じり逢うことは許されないけれど、万有引力がはたらくように惹かれるのだと思います。面差しを思い出して何度も死という完成した思いに身を沈めます。それでも美しさはここにある、だから桜のひとひらが舞う姿を見つめ惜しみながら、桜に恋をする儚さを胸に生きて行くのだろう、この狂気の世界で。2014/07/19

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