内容説明
なぜこの人の作ったものは美味しいのだろうか。銀座の老舗から地方の名もなき食堂まで、厨房の奥には味の数だけ人間ドラマがあった。―『BRIO』連載当時から話題を集めた連作ノンフィクションが文庫で初登場。“美味神髄は人に在り”を知らしめる18の感動ストーリー。
目次
空也の商法―空也
おかあさんは26歳―天亭
うずら卵となすのへた―京味
ふぐと拳闘―三浦屋
オーナーシェフの多忙な一日―ル・マンジュ・トゥー
親方と私―小笹寿し
銀座の名物―きく
グラン・メゾンとは何か―ロオジエ
カウンターの達人―ます多
香港の先生―菜の花〔ほか〕
著者等紹介
野地秩嘉[ノジツネヨシ]
1957年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もけうに
5
野地さんは文章が上手く、ノンフィクションを物語のように躍動的に描く。料理に関わる人々に人生を活写した良作。料理の話というより、それに関わる人生の話。人生はそれぞれ大変だが、皆精一杯生きている。2022/09/28
へへろ~本舗
4
全国津々浦々、北海道から沖縄まで「食の達人」達を訪れる。飲食店だけではなく最中屋、酒造店、なれ鮨等が登場する。自分や店の生い立ち、親方に対する思い、家族に対する思いなど、サクセスストーリーだけに限らない色々な思いが綴られている。2013/02/22
sawa
2
★★★★☆ 誰もが知っている東京の有名店から、地方の小さなお店まで、多種多様なお店の店主の話を紹介。「プロジェクトX」や「プロフェッショナル」のようなドキュメンタリーのような職人のこだわりを紹介するような回もあり、店主の半生を小説のように綴る回も。超有名店「空也」の最中の皮を作っている老夫婦は常に髪を黒く染めている、白髪だと最中の上に落ちても見えづらくなってしまうからだ、などさりげなく挟まれるエピソードがよかった。(図)2011/10/19
マサ
1
その店ならではのうまいものがあって、それに絡む店の歴史や店主の生い立ち、ポリシーなど「人」に焦点が当てられている。インタビューからは順風でないことも少なからずあったことがうかがわれる。店主からここまで本音を引き出すには相手とのそれなりの関係が必要なのだろう。そして、長く続いている店には理由があることが分かる。いい店が長く続くといいなと思った。2024/12/29
egg
1
この人の本が数冊並んでいて迷ったけれど、これにした。飲食店を支えるポリシーはひとつではないが、美味しい料理・喜ばれる料理を提供したいという心は共通する。2011/08/11