出版社内容情報
ニューヨーク・タイムス№1獲得の恋愛小説。
スターリン政権下のロシア。ナチスドイツの攻撃が本格化。ひとりの女性が、エルミタージュ美術館を守る姿を描いた小説。
マリーナは、孫娘の結婚式に参加するべく、娘がマリーナを迎えに来る。しかし、マリーナは認知症を患っていた。記憶が現在と過去と行き来しており、自分の娘すら思い出せない時がある。娘に連れられ、結婚式に向かう途中で、マリーナの回想が始まる。
▼1941年のレニングラード。マリーナは、エルミタージュ美術館に勤める美術館スタッフだ。ナチス・ドイツの攻撃から、絵画を疎開させるために懸命に梱包するマリーナ。食料もなく、寒さと飢えで、多くの仲間が死に、恋人も戦地へと赴く。オルベリ館長は、疎開するよう勧めるのだが、マリーナは、自分がここに残り、戦争が終わり、絵画が戻って来たときのために、また、美術館が空爆で破壊されても復興できるように、そのすべてを記憶する。と気丈に答えるのだった。
▼美しいものを守り、人間としての品格を失うことなく生き抜いたマリーナ。最後の一行に、深い余韻が残る小説。
内容説明
1941年ドイツ軍によるレニングラード包囲。戦禍から美術品を守るひとりの女性―デビュー作にしてニューヨーク・タイムズ1位を獲得した感動作。
著者等紹介
ディーン,デブラ[ディーン,デブラ][Dean,Debra]
シアトル生まれ。ホイットマン・カレッジで英語と演劇を専攻し、1980年に卒業。卒業後ニューヨークへ行き、「ネイバーフッド・プレイハウス」(プロの俳優養成所)で2年間研鑽を積みながら、10年近く、舞台女優として働く。1990年に、北西部へ戻り、オレゴン大学で美術の修士号を取得。教師として働きながら文芸誌に短編を発表しはじめる。ワシントン州シアトルに夫と在住。『エルミタージュの聖母』が長編第一作
成川裕子[ナリカワヒロコ]
1951年、沖縄に生まれる。1975年、香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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