出版社内容情報
原爆投下の事実とその惨状を聞いたオッペンハイマーは、「手が血で汚れているように感じます」と悔恨の情を抱く。そんな彼に時の大統領トルーマンは「これで拭きたまえ」とハンカチを投げつける。「核」を米ソ冷戦の重要なカードと考えるトルーマン、アイゼンハワーらと、その国際管理をめぐり、対立するようになった彼は、「冷戦」という時代背景の中、安全保障上の機密事項を漏洩するのではないかとFBIに盗聴されるようにまでになる。そうした状況が、改善されるのはケネディ、ジョンソンの時代になってからだった。
内容説明
想像力を失うとき、人間に狂気が宿る。人類にとって科学とは―。原爆投下の事実を知った男の深き悔恨と孤独。ピュリッツァー賞受賞作品。
目次
このかわいそうな人たち
手が血で汚れているように感じます
ニューヨークだって破壊できます
オッピーは発疹にかかったが、免疫ができた
知識人のホテル
なぜ自分がそれをやったか、理解できなかった
彼女がものを投げつけたのは、そのためだ
彼は決して自分の意見を口にしなかった
オッピーの暗い噂
ジャングルの野獣〔ほか〕
著者等紹介
バード,カイ[バード,カイ][Bird,Kai]
1952年生まれ。歴史研究家。スミソニアン・ウッドロー・ウィルソン国際センター研究員。ワシントンD.C.在住。『オッペンハイマー―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』で、ピュリッツァー賞受賞
シャーウィン,マーティン[シャーウィン,マーティン][Sherwin,Martin J.]
1937年生まれ。タフツ大学(マサチューセッツ州)歴史学教授。広島・長崎への原爆投下に至る米国核政策をテーマにした『破滅への道程』(1975年)で、米歴史本賞受賞。ボストン郊外在住。『オッペンハイマー―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』で、ピュリッツァー賞受賞
河邉俊彦[カワナベトシヒコ]
1933年静岡県生まれ。一橋大学社会学部卒。日本アイ・ビー・エム、三菱自動車工業株式会社勤務の後、『日経サイエンス』の記事をはじめ、経済・法律・芸術・文化など多方面の翻訳を手がける。神奈川県川崎市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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