オッペンハイマー〈下〉―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇

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  • サイズ B6判/ページ数 441p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569692937
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0098

出版社内容情報

原爆投下の事実とその惨状を聞いたオッペンハイマーは、「手が血で汚れているように感じます」と悔恨の情を抱く。そんな彼に時の大統領トルーマンは「これで拭きたまえ」とハンカチを投げつける。「核」を米ソ冷戦の重要なカードと考えるトルーマン、アイゼンハワーらと、その国際管理をめぐり、対立するようになった彼は、「冷戦」という時代背景の中、安全保障上の機密事項を漏洩するのではないかとFBIに盗聴されるようにまでになる。そうした状況が、改善されるのはケネディ、ジョンソンの時代になってからだった。

内容説明

想像力を失うとき、人間に狂気が宿る。人類にとって科学とは―。原爆投下の事実を知った男の深き悔恨と孤独。ピュリッツァー賞受賞作品。

目次

このかわいそうな人たち
手が血で汚れているように感じます
ニューヨークだって破壊できます
オッピーは発疹にかかったが、免疫ができた
知識人のホテル
なぜ自分がそれをやったか、理解できなかった
彼女がものを投げつけたのは、そのためだ
彼は決して自分の意見を口にしなかった
オッピーの暗い噂
ジャングルの野獣〔ほか〕

著者等紹介

バード,カイ[バード,カイ][Bird,Kai]
1952年生まれ。歴史研究家。スミソニアン・ウッドロー・ウィルソン国際センター研究員。ワシントンD.C.在住。『オッペンハイマー―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』で、ピュリッツァー賞受賞

シャーウィン,マーティン[シャーウィン,マーティン][Sherwin,Martin J.]
1937年生まれ。タフツ大学(マサチューセッツ州)歴史学教授。広島・長崎への原爆投下に至る米国核政策をテーマにした『破滅への道程』(1975年)で、米歴史本賞受賞。ボストン郊外在住。『オッペンハイマー―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』で、ピュリッツァー賞受賞

河邉俊彦[カワナベトシヒコ]
1933年静岡県生まれ。一橋大学社会学部卒。日本アイ・ビー・エム、三菱自動車工業株式会社勤務の後、『日経サイエンス』の記事をはじめ、経済・法律・芸術・文化など多方面の翻訳を手がける。神奈川県川崎市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kazuさん

28
原爆投下からオッペンハイマーが亡くなるまでの詳細だが、ほとんどが、赤狩りに端を発した1954年の保安許可取り消しに至る経緯について記述されている。原爆が世界に拡散して、人類が滅亡する可能性があるため、国際的組織を作って原爆製造について管理する必要性をオッペンハイマーが米政府に強く要望し、更に、水爆の開発を阻止しようとする。戦後、プリンストン高等研究所の所長となるも、1954年の保安許可取り消しで、公職追放された。本人の死後、2022年12月16日に長い年月を経て、保安許可取り消しがようやく撤回された。2023/08/10

ゲンショウ

12
彼がいなければ、原爆が出来なかったとは思えません…が、時期は変わっていたと思います。科学と政治が贖い難い何かを生み出した時に…、この人は立ち遭ったのだと感じました。彼は死に逝く時、その呪縛からの解放を望んだのだろうか…?2009/11/26

乙郎さん

9
下巻は広島への原爆投下から始まり、聴聞会にて過去の思想を弾劾されること、そして晩年が語られる。通しで読んで思うのは、オッペンハイマーという人物の複雑性、そして純粋さだろうか。それゆえに色々な人に利用されて、時代の波に飲まれたのだなと。相変わらず科学に留まらず人文系でも偉人が数多く登場する。2024/03/20

takao

4
ふむ2023/12/10

3
水素爆弾の開発が進む世界に警鐘を鳴らそうとするオッペンハイマーとそれを快く思わぬ推進派の人々との戦い。聴聞会で証人となったオッピーの研究仲間の証言は胸に迫るものばかりだったが、最終的には潜在的機密漏洩源であると評決…ここでも政治を動かす人間の醜悪さを垣間見た気がする。読み終えて言えることは「読むからには甚大な被害を被った国の人間としての感情抜きで読まなくてはならない」…これに尽きる。偉大な功績だとしてもやはり容認できないのが被曝国に生きる我々だろう。その上で冷静に彼の人生を知りたい人だけに薦めたい。2024/02/17

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