出版社内容情報
上野国(群馬県)で法神流の奥義を極め、江戸まで勇名を馳せた幕末の天才剣士・津田房之助の知られざる生涯を、渾身の筆致で描く!
内容説明
法神流は、上州(群馬県)赤城山で楳本法神が創始した実戦的剣法。数ある門弟のなか、法神が二代目として育てたのが須田房之助である。若き日から無敵を誇り、法神の苛烈な指導を経て人間ばなれした強さを得た房之助だったが、江戸へ出て開いた道場が隆盛を誇ると、他流から執拗かつ卑劣な陰謀を仕掛けられる。そのとき房之助は…。末流が昭和まで剣名をとどろかせた流派の、最強剣士の生涯を描く。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山市生まれ。東北大学法学部卒業。サラリーマン生活を経て、小説家を志す。1978年、『深重の海』で直木賞受賞。1995年、『夢のまた夢』で吉川英治文学賞受賞。1997年、紫綬褒章受章。2003年、旭日小綬章受章。2005年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
1
「ありゃ、お天狗さまの化身にちげえねえ。房吉も法神先生の弟子だから、とうとうお天狗さまになったんだんべえ」……法神流剣術の二代目、須田房之助(房吉)の伝記。法神流なんて初耳で、幕末の三大流派以外にこんな実戦的剣法があったことに驚く。読み処は著者の他の剣豪物と同じく、剣術研鑽の日々。若者が悩みながら成長する様をジジイ目線で愛おしく眺めるのが無上の快楽だ。しかし、後半は残念な状態に。決闘の辺りから納得しがたい展開になり、消化不良で幕を閉じる。これなら二代目じゃなく、始祖の楳本法神の方が主役に相応しいような…。2017/10/21
どらんかー
0
その剣技、法心流2014/04/03
ちか
0
ところどころ話がややこしくなったが、法神流という実戦剣法がとても魅力的だった。2013/03/23