出版社内容情報
「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを2度破り、日本ボクシングの黄金時代を築いたファイティング原田。その激闘の軌跡を描いた傑作。
内容説明
打たれても打たれても前に出る男は、こんなにも美しい―敗戦から十余年、十九歳で世界王座についたファイティング原田。三年後、史上最強と言われていた「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを破り、日本人初の二階級制覇。だが時代の寵児となった原田の前に、世界の強豪が立ちはだかる。一九六〇年代、日本人を熱狂させた男の戦いを描きつつ、昭和の“熱”を見事再現した傑作ノンフィクション。
目次
第1章 日本ボクシングの夜明け
第2章 ホープたちの季節
第3章 切り札の決断
第4章 スーパースター
第5章 フライ級三羽烏
第6章 黄金のバンタム
第7章 マルスが去った
第8章 チャンピオンの苦しみ
第9章 「十年」という覚悟
著者等紹介
百田尚樹[ヒャクタナオキ]
1956年大阪生まれ。同志社大学中退。人気番組「探偵!ナイトスクープ」のメイン構成作家となる。2006年『永遠の0』(太田出版)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
305
日本中が白黒テレビの前でボクシングに熱狂した 時代が確かにあった。「あしたのジョー」に夢中になり、未来に希望を抱いていた…そんな時代背景を百田直樹がファイティング 原田を題材に骨太に描く。白石義男からファイティング 原田に繋がれた日本人の想いのようなものが伝わってくる。ボクシングに 夢をかけ、破れ去った者と勝ち取った者のわずかな 差は一体何だったのか。まるで沢木耕太郎のスポーツ ノンフィクションを読む時のような 陶酔感を味わいながら、 知らなかったボクサーたちの 苦闘の日々に思いを馳せる…そんな本だった。2015/02/14
射手座の天使あきちゃん
204
「事実は小説より奇なり」こんな言葉を思い出させる物語でした。 正直ボクシングって興味ありませんでしたが、金と名誉と情熱のすべてを賭けて戦い、戦後の時代を一息に駆け抜けたボクサー達の数奇な運命と迫力のファイトシーンを堪能しました。 万人受けはしない作品かも?ですね(笑)。2014/05/17
再び読書
150
著者の思い入れがよくわかる。この時代の王者が如何に価値があるのかもよくわかる。まさか今の王者数が当時の9倍近い数字とは驚く。またファイティング原田の生き様も心に残った。もう少し心情的なものを掘り下げてもいいかと思うが、多分にこの時代の男の潔さが弱音を含めた本音を語らない美学に基づいた事なのかも知れない。「黄金のバンタム」ジョフレを含むチャンピオンの人としての偉大さにも関心させられる。日本人としては白井義男や矢尾板貞雄の生き様にこころを討たれる。日本人ボクサーに感動しました。2015/02/19
佐々陽太朗(K.Tsubota)
146
人生というものはわからない。様々な人々の縁が交錯し、偶然が引き起こした出来事が人の運命を大きく左右する。どれほど思いを遂げようと努力を重ねても、運命の女神が微笑んでくれなければ、その努力も無に帰してしまう。ファイティング原田は誰よりも厳しい減量をし、強くなる工夫と努力をし続けたボクサーだ。現役の間は己のすべてをボクシングに捧げた男。そんな原田に対しては、いかな気まぐれな女神も微笑まざるをえなかったのでは無いか。そう信じたい。百田さんの興奮した気持ちがひしひしと伝わってきました。素晴らしいノンフィクション。2014/03/03
gonta19
141
2012/11/19 Amazonより届く。 2020/7/1〜7/4 日本ボクシングの黎明期のチャンピオン達をファイティング原田さんを中心に描くノンフィクション。いやいや、凄い人たちだ。昔のチャンピオンの価値は今からは想像もできないな。これを書く前にYou tubeで原田さんの試合を見たが、今のボクシングとは異質な戦いであった。異質ではあるが、より野生に訴えるモノで、今と同じスポーツではないのかもしれない。2020/07/04