出版社内容情報
吾輩も猫である。名前は小次郎という――元新聞記者で世界中を旅した主人が飼う4匹の猫たちによる風刺に富んだ日々。会心の長篇小説
【著者紹介】
評論家、作家
内容説明
吾輩も猫である。名前は小次郎という―夏目漱石の『吾輩は猫である』から百年、同書をこよなく愛する著者が、愛猫四匹と暮らす日常を、主人公の小次郎の視点から描いていく。とはいえ、古今の名作の考察から現代文明批判まで話す主人たちのやり取りを、ウイットとユーモアに包んで語る「吾輩」の知性と感性は絶品だ。漱石代表作へのオマージュとして、また肩の凝らない読み物として滋味深い長篇。
著者等紹介
森本哲郎[モリモトテツロウ]
1925年、東京生まれ。東京大学文学部哲学科卒、同大学院社会学科修了。朝日新聞東京本社入社、学芸部次長、朝日新聞編集委員を経て、1976年退社。以後、評論、著述に専念。1988~1992年、東京女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mae.dat
251
夏目漱石『吾輩は猫である』を端にする、由緒正しき猫一人称視点小説。少しお高く止まってるの。ねこ然とした感じで良さそうに思える。しかし実の所、何かに理由を付けて、正面から受け止める事を避けている風にも感じるな。そして主人は、かつては新聞社に勤め、女子大学の教授も務め、今では文筆業をしているインテリさん。主人の住まわる屋方は、臥龍窟ならぬ臥猫窟でさ、師と仰ぐ人達が出入りするんだけど。何のことはない、みんな蘊蓄を語りに来てるだけの様な。うん、蘊蓄が凄いの( ¨̮ )。正に現代版の『吾輩も猫である』ですなぁ。2023/04/20
KAZOO
96
森本さんが大好きな漱石の「吾輩は猫である」になぞらえて、4匹の猫を飼っている主人公(森本さん)の日常の姿を小次郎という名前のネコから見て描いています。ある意味比較的辛口の評論集となっています。内容的には私の好きな高島俊夫(「お言葉ですが・・・」で有名な)さんに似ている感じがしました。文学的な話が多く古本の話などは私も頷いてしまうことが多いような感じでした。2023/05/20
白湯
50
猫の挿絵がかわいかったし、あぁ猫と暮らしてるんだろうなぁって思いましたが、お話自体はちょっとなー、やっぱりなー、親世代と同席して話しが興に乗って薀蓄やら自慢やらトリビアやら語られつくして、聞くほうはぐったり、、、という感じになっちゃったなー。もはや笑顔を作って相槌だけ打つというような瞬間も多くでてきて…つまり、斜め読み状態に!(ごめんなさい!) 夏目さんの「我輩は猫である」の記憶が薄いけれど、こんなだっけ。また機会があったら、オリジナルのほうを再読したい気もする、などと思いながら読了。2015/07/29
ほっしー
16
『吾輩は猫である』を著者流にオマージュした作品。主人公の猫・小次郎の視点から著者とその周りの人々、猫たちのやり取りが綴られている。もしも漱石が現代に生まれて『吾輩は~』を書いたとしたらこんな感じになっていたのかな。現代なのでパソコンとか携帯電話が登場する。本家と同じく主人(著者)とその周りに集まる知識人風の客人たちによるインテリ風の無駄話の数々。良い意味でああくどいなあと思った。主人は本をあまり読んでいない様子なんだけど、どんどん本を買ってきて積読を増やしている。読メで管理することをおすすめしたい(笑)2017/03/29
マサキ@灯れ松明の火
9
「吾輩」こと「小次郎くん」‥賢いですね♪人間の言葉を理解するだけじゃなく、文字も読めるなんて☆こうして、「猫目線」で人間の言っていることを見ると…確かにムチャクチャですね★★★人間も少し、気を引き締めていかないといけないですね☆※咳が酷いので、これにて失礼致しますm(_ _)m2012/02/25