出版社内容情報
「惜しみても尚惜しむべし」と言われた武田二十四将随一の仁徳の武将、信繁。信玄を支え続けた無私の補佐役の生涯を、爽やかに描く力作。
【著者紹介】
作家
内容説明
江戸時代「まことの武将」と評され、その家訓は武士の心得とされた無私の補佐役、武田信繁。兄弟、親族同士が争う戦国時代にあって領国経営に苦悩する兄、信玄を献身的に支え続けた。川中島の合戦で、兄を守るために壮烈な戦死を遂げた際には、信玄は遺骸を抱いて号泣し、敵である上杉謙信さえもその死を悼んだという。武田二十四将、随一の副将の生涯を爽やかに描く長編小説。
著者等紹介
小川由秋[オガワヨシアキ]
1940年生まれ。1965年、早稲田大学第一政経学部卒業。同年、学陽書房に入社し、地方自治関係の単行本を中心に企画・編集に携わる。ベストセラー『小説 上杉鷹山』(童門冬二著)など、歴史・時代小説も多数手がけた。童門冬二氏が編集代表の同人誌『時代』の同人として小説を発表している。本名:高橋脩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かいゆう
30
父信虎に疎まれていた兄晴信と違って、かわいがられていた信繁。慢心する事なく、兄を支える決心をする。兄の一歩後ろに立ち、周りの状況を冷静に捉える。言葉は少なくとも、一貫したお屋形様を思う心、武田を思う心、民を思う心が見える。話の流れ的には、「武田信玄」などで書かれている内容と同じだが、第四次川中島の合戦に赴く前の息子との会話が、信繁らしい部分なのだろう。肝心な最後の戦いの部分をもっとよく知りたかった。(サラッとで終わっちゃうくらい、上杉側の勢いが凄かったのかな)2016/08/19
かいと
23
真田昌幸の次男の真田信繁の名前は「武田信繁」からつけられたことを知りました。川中島の戦いのところで、一兵も信繁の陣を通過させないように守っていた所が、一番心に残りました。2016/09/15
maito/まいと
4
読みながら、「豊臣秀長」(堺屋太一著)を思い出した。それくらい、本人よりも父信虎や兄信玄、甲斐国に関する描写がほとんどで信繁本人のエピソードが出てこない、でも信繁の人となりが柔らかく伝わってくる、という不思議な展開。果敢な兄信玄を支える姿は武や知謀よりも、和の人柄が窺い知れる内容となっている。終盤の家訓制作話しは、今の政治家に聞かせてやりたいくらいの名エピソード。大事なのは文字にして残すことではなく、人の心に宿り受け継がれていくこと。「伝える」ことの本質を学んだ気がした。2011/10/06
田中AD
3
読んでて何かつまずくと思ったら信繁が質問が多すぎるから変な感じになってしまってる。2015/04/23
ユウ66
3
名副将と言われながら、どんな人物かあまり姿が見えなかった信繁像を見られることを期待して購入。 残念ながら信繁の視点を見ながらの信玄に終止し、肝心の信繁の活躍はあまり語られず消化不良でした。2012/01/19