内容説明
チンギス・ハーンは、なぜかくも広大な「世界帝国」を築き上げることができたのか―九歳の時に父を殺されながらも己の部族を守りぬき、モンゴル高原に群雄割拠する遊牧騎馬民族を、圧倒的な政治力と指導力で統一したチンギス。並外れた戦略眼と軍事力で、全ユーラシアを席捲した男の真実の姿とは?「蒼き狼」と呼ばれた男の破壊と創世の生涯を、手練の歴史作家がダイナミックに描く大河長編。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山市生まれ。東北大学法学部卒業。サラリーマン生活を経て、小説家を志す。1978年、『深重の海』で直木賞受賞。1995年、『夢のまた夢』で吉川英治文学賞受賞。2005年、菊池寛賞受賞。1997年、紫綬褒章受章。2003年、旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
9
井上靖の「蒼き狼」と同様に元朝秘史をベースとしたチンギス ・ハーンの生涯を描いた作品。蒼き狼の頃と比較すると2006年の作品の為当時の文化や国際情勢等を細かく調べあげているが、登場人物がかなり多く分かりづらい面もあり。2019/11/26
djebel
0
知っているようで知らなかったチンギス・ハーンの生涯が克明に描かれています。興味深く読めましたが、あまりにもモンゴル軍が殺戮を繰り返すので、感情移入はできなかったです。モンゴルの広大な草原で生まれ育った遊牧民族ならではの考え方は、我々日本人には理解しかねるのでしょうね。2012/03/02
ふっちゃん、男性60歳代(乱読書歴50年)→70歳になった。
0
この主人公チンギス・ハーンを題材にした本はかなりある。それだけ魅力的であると思うが、 成し得た事が多すぎてただ羅列するだけでも一冊の本では足りないと思う。そう云う意味ではこの本には初期の金、遼、宋、北宋、南宋、西夏との争いが比較的丁寧に描かれている。また 騎馬戦が得意の軍団がいかに周りとの戦いに勝って行ったのかが良く判る。この本一冊で当時の世情とか、都市、生活環境などが眼に浮かぶようであった。 【4.2】2023/07/28