出版社内容情報
劉備に忠誠を尽くすも、孔明と対立した闘将。
劉備に忠誠を尽くし、「蜀軍」でも屈指の武勇を誇った魏延。孔明の北伐で活躍するも、冤罪により悲劇的最期を遂げた猛将の生涯を描く。
武を誇るあまり「血に飢えた狼」と味方さえも震え上がらせた魏延だが、漢帝国の始祖・劉邦を助けた“名将・韓信の剣”を手にしたことから運命が大きく変わり始める――。
▼劉備の信頼厚く漢中太守に大抜擢されるも、北伐で軍を慎重に動かす孔明と対立。最後は文官との確執から“反逆者の汚名”を着せられた。
▼最後まで劉備と蜀漢に忠誠を誓い続けた、悲運の闘将の生涯を描く!
▼文庫書き下ろし。
●序章
●第一章 名将韓信の再来
●第二章 風雲急迫
●第三章 劉備、益州征覇
●第四章 漢中征覇
●第五章 北伐
●第六章 楊儀との確執
内容説明
武を誇るあまり「血に飢えた狼」と味方さえも震え上がらせた魏延だが、漢帝国の始祖・劉邦を助けた“名将・韓信の剣”を手にしたことから運命が大きく変わり始める―。劉備の信頼厚く漢中太守に大抜擢されるも、北伐で軍を慎重に動かす孔明と対立。最後は文官との確執から“反逆者の汚名”を着せられた。最後まで劉備と蜀漢に忠誠を誓い続けた、悲運の闘将の生涯を描く。
著者等紹介
桐谷正[キリタニタダシ]
1951年、富山県に生まれる。同志社大学文学部を卒業。89年、「高漸離と筑」で第14回の歴史文学賞佳作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
21
28初めて魏延を知ったのはアーケードゲームの天地を食らう2でした。ゲームと演技の影響で魏延はどちらかといえば脳筋キャラで扱いづらい人物の印象、こちらは最初は乱暴者でしたがある老人から韓信の生まれ変わりと言われ勉強に励み部下から慕われる戦上手な人物として書かれていて正史に近いようです。でも孔明と相性が悪く用いられず不満を持つ、この辺りから魏延は加藤清正で孔明が石田三成の感じで読んでました。魏延は張飛を超える出世をしてたのですね知らなかった。2020/02/24
MIKETOM
8
PHP文庫にしては本人の記述が比較的多いほうだと思う。けっこう作者の創作が混じってるようだけどね。魏延が韓信の生まれ変わりってのはかなり無理があるな。作者なりのオリジナル味付けが必要ということなんだろう。北伐に際して魏延の案を排して馬謖を採用した挙句に大敗を喫したのは孔明の大黒星。ただ、魏延案を取り入れた場合に歴史がどう変化したのか、それは誰にもわからない。結果として蜀滅亡が早まった可能性もあるし。それにしても、劉備の魏延と馬謖に対する評価眼の確かさは意外の一言。単なる”善人”だけじゃないんだな(笑)2019/09/09
リトル・リン
6
あれっ?と首をひねる記述もチラホラありましたが、演義の影響でめっきり悪役イメージの定着してしまった魏延さんが主人公とは、良い時代になったものです。お話の進め方が、少しだけ陳舜臣さんに似ている気がしました。陳センセの様に、学者顔負けの知識量を身に付けて、中国史物を沢山書いて頂きたいです。2015/11/02
はせこー
6
この人物は男!! だからこそ好き2015/09/08
dexter4620
3
横山光輝三国志でもそうだったように、孔明に冷遇されていたイメージのある魏延。この小説で彼が長安へ攻め込むifが起きていたなら歴史は変わったのだろうか。個人的には悪いイメージは無く、歴史を彩る個性的な良将だと思う2016/12/22