内容説明
幸せになるためには、社会的に成功するための努力をするよりも、やさしい人になるための努力をするほうが、はるかに有効である。生きることが辛い人は、やさしい人になろうとすることが幸せへの道である。―こんな殺伐とした時代だから求められる「やさしさ」。その本質について知ると、心の葛藤の正体にも気づきます。「やさしい人」であるための心の持ち方、これからの生き方を考える心理学。
目次
第1章 なぜやさしくなれないのか
第2章 やさしさへの道しるべ
第3章 励ましのパワー
第4章 本当のやさしさ・偽りのやさしさ
第5章 傷つきやすい心のおさめ方
第6章 甘えの超克
第7章 自分と向き合う
第8章 やさしさは幸せの源
著者等紹介
加藤諦三[カトウタイゾウ]
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学准研究員をつとめる。早稲田大学教授を経て、現在、ハーヴァード大学ライシャワー研究所准研究員、日本精神衛生学会理事、産業カウンセリング学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
27
声高に人類愛を叫んでいるくせに周囲にいる一番に大切にすべき人たちを蔑ろにするご立派な博愛主義者って結構存在するよな。そうはなりたくない。まずは自分の周りにいてくれる友人知人を大切にして、どんな瞬間でも常に想っている特別で唯一の相手に対して優しさや愛を向けて生きていきたい。優しさって意志によって磨かれていく後天的な美徳だと思うので優しい人になりたいと常に意識なくちゃな。今この瞬間に関わる人たちに愛を向けながら自分のできることに全力を尽くす。そうして日々の生活の中で自分の中の美しさを研ぎ澄ましていくんだ。2019/11/21
アイスマン
17
自殺したい人を説得する言葉。 「自殺したい」と言う事は、それだけ「苦しい!」と言う事である。 まずは、その気持ちを汲んであげる。 「死ぬほど苦しいんだね。そこまで苦しければ誰でも死にたくもなるよね。死にたいならいつでも死ねるから。でも今日は寒いから明日にしたら。今日は温かいご飯を用意しておくから。あと熱いお風呂も沸かしておくから」と相手の心を見る努力をする。 これを「弱虫!」とか「死んではいけない。強く生きるんだ!」と言うからおかしくなるのである。
アイスマン
8
賞賛や愛を求めれば、どうしても傷付きやすくなる。 何故なら期待するほど褒めてもらえないからだ。 「他人に賞賛や愛を求める」とは「オレを認めろー!俺を認めろー!」と言う態度だ。 これって「他人が自分にどんな態度で接するか」によって自分の気持ちの安定、不安定がかかっているという事。 だからズルい人からの賞賛の言葉で騙される 。 「すごいー!」という安易な言葉が心地よくて騙されるのである。2019/01/23
Yuji Hamano
6
本当にやさしい人と、「自分やさしいでしょ」と押し売りしてくる やさしい人と他者から評価されたい人の違い。こわだかに人類愛を語る人は正にいる隣人や身近な人にやさしくないという。 完全に個人的なことだが、日頃、やさしさを押し売りしてくる人と仕事しているので、まずは共感を得た感があり癒された。2016/10/29
タペンス
3
自分が神経症だというのが、この本を読んでますますはっきりしてきた。これからどんどんこの著者の本を読んで、自分に向き合って、自分をなおしたい。2019/06/11