エンゼル叢書
甘えと教育と日本文化

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569644059
  • NDC分類 376.1
  • Cコード C0037

出版社内容情報

今、教育の「質」が問われている。学力低下を防ぎ、子どもたちを心身共に健やかに成長させるにはどうしたらよいか。日米教育の比較文化論。

幾度となく叫ばれている「教育改革」。では、「教育」とは一体何なのか。本書では、それが及ぼす影響から日本文化を浮き彫りにする。

▼まず日米の教育比較から、日本の教育現場を見直してみる。この比較論を長年研究するキャサリン・ルイスは「日本の幼児・初等教育は世界の教育モデルになり得る」と大絶賛。そこには、和を重んじ自主性を育てる「全人教育」という素晴らしいシステムが確立されていると言う。だがこの良い伝統も、受験一辺倒の中学・高校から歪みが生じてくるのではないかとの警告も。一方、土居健郎が日本人の一大特徴である「甘え」理論を教育と重ねながら考察する。国際社会と良好な関係を築くための、これからの日本人論に迫る。

▼最後にエンゼル財団の研究テーマである「生活文化」から、「甘えと教育」を(1)学校生活と家庭のあり方、(2)「甘え」理論の源流、として問題提起していく。力強く生き抜く、これからの日本人を考える名著。

●序論 「甘えと教育と日本文化」について考える 
●第1部 
[対談]世界の教育改革モデル「日本の幼児・初等教育」―土居健郎×キャサリン・ルイス/須賀由紀子(聞き手) 
●第2部 
[対談]心と知力を育む教育の伝統―キャサリン・ルイス×須賀由紀子 
●第3部 「甘え」理論と生活文化―須賀由紀子/「甘え」理論の源流について―松田義幸

目次

序論 「甘えと教育と日本文化」について考える(キャサリン・ルイスさんの発見;「甘え」の功罪 ほか)
第1部 対談 世界の教育改革モデル「日本の幼児・初等教育」(日本の幼児・初等教育の普遍性;日本の教育行政への期待 ほか)
第2部 対談 心と知力を育む教育の伝統―キャサリン・ルイス著“Educating Hearts and Minds”(「仲間」の中で「個」が育つ幼児教育;温かい人間関係に満ちた全人教育の小学校 ほか)
第3部 「甘え」理論と生活文化(学校生活と家庭をつなぐ生活文化;「甘え」理論の源流について)

著者等紹介

土居健郎[ドイタケオ]
大正9年、東京生まれ。東京大学医学部卒業、米国メニンガー精神医学校、サンフランシスコ精神分析協会に留学後、聖路加国際病院精神科医長。その間、米国国立精神衛生研究所に招聘。その後、東京大学医学部教授、国際基督教大学教授、国立精神衛生研究所所長を経て、聖路加国際病院(顧問)。医学博士

ルイス,キャサリン[ルイス,キャサリン][Lewis,Catherine C.]
1950年、ニューヨーク生まれ。ハーバード大学卒業、スタンフォード大学大学院修了(心理学博士)。その後、ハーバード大学大学院でエズラ・ボーゲル教授に師事。日本の幼児・初等教育の研究に取り組む。現在、ミルズ大学教授。東京大学学校臨床総合教育研究センター客員教授(2003年)。日本語に堪能で、日米の教育現場の調査・研究を30年間にわたり続けている。初等教育や児童の発達をテーマとした著作物は40以上にのぼる

須賀由紀子[スガユキコ]
昭和38年、大阪府生まれ。津田塾大学学芸学部国際関係学科・筑波大学大学院修士課程修了。専門分野はレジャー論。エンゼル財団主任研究員

松田義幸[マツダヨシユキ]
昭和14年、山形県鶴岡市生まれ。東京教育大学卒業。日経広告研究所研究員、余暇開発センター研究主幹、筑波大学助教授・同大学院客員教授を経て、実践女子大学教授(専攻は生活文化史、レジャー社会学)。エンゼル財団理事
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