出版社内容情報
「新しい歴史教科書」の登場とともに浮上した「教科書採択問題」の背景と問題構造を明らかにする。問題なのは「検定」ではなかった!
教科書は誰が選ぶのか? 教室で子どもに教える現場の教師か、教育委員会か、首長か、それとも父母か――四年前の『新しい歴史教科書』の出現は、半世紀変わらぬ教科書制度のあり方に、大きな一石を投じた。と同時に、教科書問題の主舞台が「検定」から「採択」の場に移り、採択が世間の注目を集めるきっかけともなった。
▼ところが、『新しい歴史教科書』の市販本は65万部を売り上げたにもかかわらず、実際の採択結果は11校521冊、採択率わずか0.039%に終わったのである。この落差はいったい何なのか? 「つくるよりも採択してもらうことのほうがはるかに難しかった」――本書は「新しい歴史教科書」の編纂に加わった著者が、「採択率のカベ」を振り返りつつ、採択制度と実態のズレ、問題の真相を明らかにする。日本の歴史教育をダメにしたのは誰なのか――。
●第1話 教科書は誰が選ぶのか
●第2話 採択手続きを定めた法律は?
●第3話 教師1人ひとりが選ぶ
●第4話 「うれうべき教科書の問題」
●第5話 「無償措置法」誕生
●第6話 教科書問題 60年代から90年代へ
●第7話 「裏検定」に支配される県選定資料
●第8話 東京都の採択制度改革
●第9話 教育委員会の教科書採択権は「幻覚」か?
●第10話 下都賀事件の深層
●第11話 単独採択地区の優位性
●第12話 「0.039パーセント」の衝撃
●第13話 教科書採択はいかにあるべきか
内容説明
教科書は誰が選ぶのか?教室で子どもに教える現場の教師か、教育委員会か、首長か、それとも父母か―四年前の『新しい歴史教科書』の出現は、半世紀変わらぬ教科書制度のあり方に、大きな一石を投じた。と同時に、教科書問題の主舞台が「検定」から「採択」の場に移り、採択が世間の注目を集めるきっかけともなった。新しい教科書の編纂に加わった著者が、採択率〇・〇三九%という苦い経験を振り返りつつ、採択制度と実態のズレを明らかにする。日本の歴史教育をダメにしたのは誰なのか―。
目次
教科書は誰が選ぶのか―プロローグ
採択手続きを定めた法律は?―名は体をあらわさず
教師一人ひとりが選ぶ―理想と現実の間
「うれうべき教科書の問題」―半世紀変わらぬ教科書問題の構図
「無償措置法」誕生―「広域採択」制度化の意味
教科書問題 六〇年代から九〇年代へ―史上最悪の歴史教科書が登場するまで
「裏検定」に支配される県選定資料―かくして歴史は歪められる
東京都の採択制度改革―「国が亡びますぞ」と知事は訴えた
教育委員会の教科書採択権は「幻覚」か?―ご都合主義学説の犬の遠吠え
下都賀事件の深層―テロの標的にされた共同採択制度の矛盾
単独採択地区の優位性―東京都杉並区の議事録を読む
「○.○三九パーセント」の衝撃―「扶桑社効果」と業界秩序の激変
教科書採択はいかにあるべきか―七つの提言
著者等紹介
藤岡信勝[フジオカノブカツ]
1943年北海道生まれ。北海道大学教育学部卒業、同大大学院教育学研究科博士課程単位取得。名寄女子短期大学講師、北海道教育大学助教授、東京大学教育学部教授を経て、現在拓殖大学日本文化研究所教授。教育学(教育内容・教育方法)専攻。1995年、教室からの歴史教育の改革をめざし「自由主義史観研究会」を組織。同会会員が共同執筆した『教科書が教えない歴史』(全4巻、扶桑社)は百万部を超えるベストセラーになった。1997年、「新しい歴史教科書をつくる会」の創立に参加、現在同会副会長
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