出版社内容情報
道鏡の魔の手が、陸奥の平和をおびやかす!
女帝を思うままに操る怪僧・道鏡。その恐るべき野望を打ち砕かんと立ち上がる蝦夷たち。道鏡の魔の手は……。歴史巨編、待望の第三巻。
『炎立つ』『火怨』に続く著者懇親の歴史巨編『風の陣』の「立志篇」「大望篇」に続く第3巻目。
▼恵美押勝(藤原仲麻呂)が討伐されてから一年近くが過ぎた。時は天平神護元年(七六五)。新たなる権力者・弓削道鏡の専横に危機感を募らせた嶋足と天鈴は、「打倒道鏡」の決意を新たにする。嶋足にとって道鏡は、愛する益女を罠に嵌め、命を奪った憎き男でもあるのだ。
▼しかし彼らの思いとは裏腹に、道鏡と孝謙女帝の蜜月関係は続き、道鏡の権勢は揺ぎないものになっていった。宝の山である陸奥に道鏡の魔の手が伸びる――嶋足らは、道鏡の息の根を止める策を講ずべく立ち上がった。そんな折、耳を疑う託宣が…。
▼平城の都、そして陸奥を舞台に、動乱の兆しを感じ取った蝦夷たちの戦いが幕を開ける。しかし陸奥の蝦夷たちは一枚岩とはいかない。まとめ役は伊治鮮麻呂のみだが、鮮麻呂はまだ若かった。愛する陸奥を守るため、嶋足と天鈴はどんな策に出るのか…。
●炸風
●氷風
●凶風
●狂い風
●戻り風
●都風
●下風
●風評
●風と岩
●黒風
●風と雲
●冷え風
●瑞風
●猛き風
●追手風
●風触
●風舞い
●風立ち
内容説明
恵美押勝、つまり藤原仲麻呂が討伐されて一年近く―。淳仁帝が廃され、孝謙上皇が返り咲き、内裏は落ち着きを取り戻していた。背後で政治を操るのは、弓削道鏡。蝦夷たちの前に立ちはだかる新たなる権力者に、牡鹿嶋足、そして物部天鈴らは…。「立志篇」「大望篇」に続く歴史巨篇待望の第三巻。
著者等紹介
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
昭和22年(1947)、岩手県生まれ。早稲田大学卒。昭和58年、『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞し、文壇デビュー。昭和61年に『総門谷』で吉川英治文学新人賞、昭和62年に『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、平成4年に『緋い記憶』で直木賞、平成12年に『火怨』で吉川英治文学賞を受賞した
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感想・レビュー
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kawa
Nak34
コリディ
読書国の仮住まい
ひるねこ