出版社内容情報
奈良時代、蝦夷はいかに中央に挑んだか。
奈良から平安朝にかけて、陸奥の蝦夷たちが中央に挑んでいった軌跡を描く大河ロマン。第一巻の本編は「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。
八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。
▼蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。
▼奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
●春疾風
●熱風
●追い風
●光る風
●風と水
●破風
●青嵐
●颶風
●風雲急
●太刀風
●風間
●風待ち
内容説明
8世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守の従者となり平城京に上る。8年が過ぎ、衛士府の官人として異例の出世を遂げた嶋足は、やがて奈良朝を震撼させた政変・橘奈良麻呂の乱の渦中に、自らの身を投じるのであった…。迫り来る動乱の兆しの中での、若き蝦夷たちの躍動と葛藤を描く。
著者等紹介
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
昭和22年生まれ。岩手県盛岡市出身。早稲田大学卒。昭和58年、『写楽殺人事件』で第29回江戸川乱歩賞を受賞し文壇デビュー。その後、同61年に『総門谷』で第7回吉川英治文学新人賞、同62年に『北斎殺人事件』で第40回日本推理作家協会賞、平成4年に『緋い記憶』で第106回直木賞、同12年に『火怨』で第34回吉川英治文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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