現代日本文学「盗作疑惑」の研究―「禁断の木の実」を食べた文豪たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569621500
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0030

出版社内容情報

「禁断の木の実」を食べた文豪たちの手の内。

田山花袋、森?外、徳富蘆花、井伏鱒二、太宰治……彼らの作品はほんとうに「創作」なのか? 近代文学研究の定説を覆す問題作。

他人の日記や聞き書きを「リライト」したものを「創作」といえるのか。現代なら盗作といわれても仕方のないものが「文学」ともてはやされたのはなぜか。以上の問題意識をもって、著者は、田山花袋『田舎教師』、森?外『羽鳥千尋』『阿部一族』『高瀬舟』『渋江抽斎』、徳冨蘆花『竹崎順子』、井伏鱒二『ジョン万次郎漂流記』『黒い雨』、太宰治『女生徒』『斜陽』などの作品を俎上に乗せ「創作性」を分析した。その結果、いずれの作品も(文学的評価はいざ知らず)著作権法に照らして問題ありと疑問を投げかける。とくに森?外は、しばしば他人の書いた文章に手を入れて自分の作品に仕上げる「常習犯」でもあった。では、彼ら文豪たちはどんな「手口」で他人の著作物を「添削」したり「リライト」したのか。本書にはその「手口」が克明に記されている。文藝評論家の谷沢永一氏も絶賛、「世に盗作のタネは尽きまじ」という、これまた刺激的な解題を寄稿している。

[第1章]リライトとは何か――詞の定義 
[第2章]著作権法とは何か 
[第3章]田山花袋 
●『田舎教師』 
[第4章]森 ?外 
●リライトへ走った経緯 
●『羽島千尋』 
●『興津彌五右衛門の遺書』 
●『阿部一族』 
●『ながし』 
●『津下四郎左衛門』 ほか 
[第5章]徳富蘆花 
●『竹崎順子』 
[第6章]井伏鱒二 
●『青ケ島大概記』 
●『ジョン万次郎漂流記』 
●『黒い雨』 
[第7章]太宰 治 
●『虚構の春』 
●『女生徒』 
●『斜陽』 
[第8章]創作性の検証

内容説明

田山花袋、森鴎外、徳冨蘆花、井伏鱒二、太宰治…彼らの作品はほんとうに「創作」といえるのか?他人の日記をリライトしたのが「文学」なのか?文豪たちの「手の内」を暴いた衝撃の問題作。

目次

第1章 リライトとは何か―詞の定義
第2章 著作権法とは何か
第3章 田山花袋
第4章 森鴎外
第5章 徳冨蘆花
第6章 井伏鱒二
第7章 太宰治
第8章 創作性の検証

著者等紹介

竹山哲[タケヤマテツ]
1938年三重県生まれ。大阪大学工学部卒業。工学博士。三菱電機株式会社中央研究所量子エレクトロニクス研究部長、技術研究組合オングストロームテクノロジ研究機構研究所長を経て文筆活動に専念
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aaaabbbb

0
現代日本文学といっても、明治ごろの著者ばかりである。 田山花袋「田舎教師」、森鴎外「阿部一族」「ながし」「天寵」「高瀬舟」「渋江抽斎」、 徳富蘆花「竹崎順子」、井伏鱒二「青ヶ島大概記」「ジョン万次郎漂流記」「黒い雨」、 太宰治「虚構の春」「女生徒」「斜陽」「正義と微笑」、などについて、元の文があり、それをリライトした部分が大半であると指摘。ただし、太宰は再構成の努力が多くみられるため、良心的と評価している。2012/02/14

クマ

0
流し読み。リライト(盗作)について、明治〜昭和初期にかけての作家と作品をあげながら論じている。リライトした作家の作品と原作の比較や、リライトに手を染めた作家の手紙などをざっくりと説明している。戦前とは、著作権が社会にあまり浸透していない時代であり、盗作や代作といったものが蔓延しており、現代の価値観の筆者のいう盗作で当時の作家を分析、糾弾するのは無理があろう。2023/08/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/346407
  • ご注意事項

最近チェックした商品