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未完の経済外交―幣原国際協調路線の挫折

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569620886
  • NDC分類 332.106
  • Cコード C0230

出版社内容情報

戦間期の経済外交失敗の原因と背景を探る書。

戦間期、日本は産業立国へ転換、経済外交を進めたが欧米に阻まれ大東亜戦争へと追い込まれた。外交戦略失敗の原因とその背景を探る。

第一次世界大戦終了によるベルサイユ講和条約後、日英同盟は継続されず、日米蜜月時代は終わりを告げた。この新世界秩序の中、日本は富国強兵から産業立国への転換を計り、世界との多角的貿易を目標とした「経済外交」を掲げる。しかし植民地での輸出トラブル、米国との貿易摩擦、大恐慌による市場の縮小でうまく行かず、中国・アジアに経済の活路を見出す。それは広域経済圏と言う名のブロック経済構想となり、満州事変、支那事変、さらには大東亜戦争へとつながっていく。さらに、日独防共協定、三国同盟では明らかに欧州の動向を見誤り、英米相手の戦争に追い込まれていく。なぜ日本外交は新しい世界秩序を見誤り、破滅の路線を引いていったのか。本書では、有田八郎を中心に、幣原喜重郎、広田弘毅、松岡洋右など「新世界秩序」と「経済外交の限界」を読み切れず、大東亜戦争に追い込んだ人々の外交戦略の失敗を検証する。

●第1章 ベル・エポックとその黄昏 
●第2章 新しい国際秩序を求めて 
●第3章 経済外交の時代 
●第4章 試練に立つ日本 
●第5章 未完に終わった経済外交

内容説明

第一次大戦後の「新世界秩序」の中、日本は富国強兵から産業立国への転換を図り、世界との多角的貿易を目標とした「経済外交」を掲げた。しかし各国との貿易摩擦、大恐慌による市場の縮小が重なり挫折、中国・アジアに経済発展の活路を求める。だが、それは広域経済圏という名のブロック経済構想となり、満州事変、さらには大東亜戦争へとつながっていく。本書では、幣原喜重郎、松岡洋右、有田八郎らがなぜ「経済外交」の限界を読み切れず、大東亜戦争に至ったか、その外交戦略の失敗を検証する。

目次

第1章 ベル・エポックとその黄昏(変わる日本・変わる世界;第一次世界大戦勃発)
第2章 新しい国際秩序を求めて(ヴェルサイユ講和会議;ワシントン会議 ほか)
第3章 経済外交の時代(低迷する大戦後の経済;人口問題の発生 ほか)
第4章 試練に立つ日本(外交的孤立に向かう日本;輸出拡大に日本の活路を託す ほか)
第5章 未完に終わった経済外交(破綻へと向かう経済外交;クーデンホーフ=カレルギーとパン・ヨーロッパ運動 ほか)

著者等紹介

佐古丞[サコススム]
1952年、神戸生まれ。京都大学法学部卒業。住友銀行を経て、1985年、京都大学大学院法学研究科単位取得満期退学後、文部省入省。1988年、大阪学院大学へ。1996~97年、ペンシルヴァニア大学歴史学部客員研究員。現在、大阪学院大学国際学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バルジ

2
新書での類書がほとんど無い戦前日本の経済外交について語られた1冊。戦前日本が何故「経済外交」に失敗したのかその要因が簡潔に纏められている。自由貿易と国際協調の花開いた戦間期に日本では二つの異なる政治勢力が「産業立国」という共通の政策を掲げ幣原喜重郎・田中義一といった一見正反対に見える二人の外交方針が根底では繋がっていた事実は興味深い。世界恐慌後の日本の経済外交は「保護主義」と「帝国」の壁に阻まれ、激しい貿易摩擦の前に挫折する。この試みが成功するのは太平洋戦争という莫大な損失を払うまで待たねばまらない。2019/11/02

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