出版社内容情報
戦間期の経済外交失敗の原因と背景を探る書。
戦間期、日本は産業立国へ転換、経済外交を進めたが欧米に阻まれ大東亜戦争へと追い込まれた。外交戦略失敗の原因とその背景を探る。
第一次世界大戦終了によるベルサイユ講和条約後、日英同盟は継続されず、日米蜜月時代は終わりを告げた。この新世界秩序の中、日本は富国強兵から産業立国への転換を計り、世界との多角的貿易を目標とした「経済外交」を掲げる。しかし植民地での輸出トラブル、米国との貿易摩擦、大恐慌による市場の縮小でうまく行かず、中国・アジアに経済の活路を見出す。それは広域経済圏と言う名のブロック経済構想となり、満州事変、支那事変、さらには大東亜戦争へとつながっていく。さらに、日独防共協定、三国同盟では明らかに欧州の動向を見誤り、英米相手の戦争に追い込まれていく。なぜ日本外交は新しい世界秩序を見誤り、破滅の路線を引いていったのか。本書では、有田八郎を中心に、幣原喜重郎、広田弘毅、松岡洋右など「新世界秩序」と「経済外交の限界」を読み切れず、大東亜戦争に追い込んだ人々の外交戦略の失敗を検証する。
●第1章 ベル・エポックとその黄昏
●第2章 新しい国際秩序を求めて
●第3章 経済外交の時代
●第4章 試練に立つ日本
●第5章 未完に終わった経済外交
内容説明
第一次大戦後の「新世界秩序」の中、日本は富国強兵から産業立国への転換を図り、世界との多角的貿易を目標とした「経済外交」を掲げた。しかし各国との貿易摩擦、大恐慌による市場の縮小が重なり挫折、中国・アジアに経済発展の活路を求める。だが、それは広域経済圏という名のブロック経済構想となり、満州事変、さらには大東亜戦争へとつながっていく。本書では、幣原喜重郎、松岡洋右、有田八郎らがなぜ「経済外交」の限界を読み切れず、大東亜戦争に至ったか、その外交戦略の失敗を検証する。
目次
第1章 ベル・エポックとその黄昏(変わる日本・変わる世界;第一次世界大戦勃発)
第2章 新しい国際秩序を求めて(ヴェルサイユ講和会議;ワシントン会議 ほか)
第3章 経済外交の時代(低迷する大戦後の経済;人口問題の発生 ほか)
第4章 試練に立つ日本(外交的孤立に向かう日本;輸出拡大に日本の活路を託す ほか)
第5章 未完に終わった経済外交(破綻へと向かう経済外交;クーデンホーフ=カレルギーとパン・ヨーロッパ運動 ほか)
著者等紹介
佐古丞[サコススム]
1952年、神戸生まれ。京都大学法学部卒業。住友銀行を経て、1985年、京都大学大学院法学研究科単位取得満期退学後、文部省入省。1988年、大阪学院大学へ。1996~97年、ペンシルヴァニア大学歴史学部客員研究員。現在、大阪学院大学国際学部助教授
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