内容説明
縄文時代に大陸から伝わって以来、各地に固有の品種や調理法が生まれ、和食に欠かせない食材になったごぼう。そのルーツを神饌や祭り、儀礼に探り、稲作以前の農耕文化の痕跡を浮きぼりにする。
目次
ごぼう食文化のはじまり
ごぼう利用の歴史
ごぼうの名産品・特産品をたずねて
ごぼう祭りの伝統
「ごぼう」の儀礼にみる畑作文化
儀礼食物「ごぼう」に日本料理の原点をみる
焼畑農耕儀礼から発展した「田楽」料理
ごぼう料理の形成から発展へ
ごぼう料理の地域的分布と食文化
ごぼうの薬効と栄養
ごぼうを通してみる日本食文化の特徴
著者等紹介
冨岡典子[トミオカノリコ]
1947年石川県生まれ。奈良教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。博士(学術)。畿央大学助教授、帝塚山大学非常勤講師、近畿大学非常勤講師を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
17
ごぼうだいすき。面倒なので、ささがきごぼうの水煮買ってきちゃうけどだいすき。原種は満州方面から縄文時代には伝わってきてたけど、ロシア辺りではごぼうを食用としてはいない。中国朝鮮は食べる。神饌としてのゴボウ料理や江戸のごぼう餅ひりうず等も取り上げられ面白かった。…先の戦争で米軍捕虜がごぼうを食事に出されて、根っこ食わすなんて虐待だって切れたエピは載ってなかった。写真もたくさん収録されてるけどモノクロなので、ごぼうの花と葉っぱをググって見たら、すんごいかわいくてアザミみたいな感じなんだなあ。2023/12/17
kenitirokikuti
5
著者は石川県の出身で、奈良教育大で学んだひと。日本料理の起源を神饌を通して明らかにするという研究を行っている▲明治8年に布達された神社祭式により、丸物神饌(生もの)は統一されているが、熟撰(調理したもの)はムラ固有のやり方が残っている(イコール古式というわけではないが)▲ゴボウの原産は北方であり、日本列島には栽培種が広まった(野生種は食用になっていない)。金平ごぼうは江戸時代末のものであり、中世までは朝鮮人参みたく高級なものであった。かつて、数の子、こんにゃく、ゴボウはそういう位置であった。2017/10/07