出版社内容情報
坂本竜馬暗殺の犯人は一体誰か? その黒幕に実は意外な人物の姿が……。明治の名探偵・鬼木寛次郎の推理がさえる歴史ミステリーの傑作。 維新の立役者とも言うべき坂本竜馬暗殺事件は、未だに謎の多い事件である。京都近江屋で密会中の坂本竜馬と中岡慎太郎が、突然踏み込んできた侍らに斬られ、竜馬はほとんど即死、中岡は二日後に死亡した。犯人は逃走したが、いくらかの手がかりを残した。斬りつけてきた時発した「こなくそ」という四国の方言。置き忘れた刀のサヤと料亭の下駄などである。サヤと下駄は新選組のものと判明したが、後に京都見廻組の今井信郎が、自分が犯人だと自供した。これで片がつくかと思われた事件は、さらに新選組の大石鍬次郎が自供するとますますわからなくなった。一体、真犯人は誰なのか? 本書はこの事件の五年後に明治の邏卒が再調査するという設定のミステリー小説である。この愛すべきヒーロー鬼木寛次郎が、事件の真犯人を徐々に追いつめていく。すると 、そこに意外な黒幕の存在が浮かびあがってきたのである。物語はスリリングに展開し、感動のラストへと向かう。 ●序章 ●第1章 別れ路 ●第2章 訪問者 ●第3章 再会 ●第4章 京都 ●第5章 居留地 ●第6章 証言者 ●第7章 にわか雨 ●第8章 張り込み ●第9章 日記 ●終章
内容説明
竜馬殺しの裏には意外な黒幕がいた!明治の邏卒探偵・鬼木寛次郎の捜査報告。これまでの真犯人論争に終止符を打つ傑作時代ミステリー。酒と女と眠るのが大好きという、ずぼらな邏卒・鬼木寛次郎に、ある日、大警視から直々に特命が下る。五年前の坂本龍馬暗殺事件の真犯人を秘密裡に探し出せという。しかし、既に犯人とおぼしき京都見廻組の今井信郎は捕まり、自供しているではないか。いったい今頃なぜ…。寛次郎が地獄耳の吾一を助手に捜査を開始すると、意外にも事件は新たな様相を見せ始めた。捜査線上にちらつく新選組の影、そして背後にうごめく政治的陰謀。暗殺の指令を下したのは薩摩か、それともイギリスか。文明開化の東京を舞台に、寛次郎の活躍が始まる!