出版社内容情報
日本陸軍にあって優秀な戦略家であり、部下に慕われた人望家でもあった今村均大将。自ら進んで戦争の責任をとった崇高な人格を描く。 戦後50年以上たち、一体あの戦争は何だったのかという問いが真剣になされるようになってきた。なぜ日本は戦争に突入したのか、日本軍は戦争中何をしたのか。そしてなぜ敗れたのか。今、改めてあの戦争の真実を探り、振り返ってみることの意義は大きい。今村均は、今もって敬愛する人の絶えない陸軍大将である。その真骨頂は、戦後の身の処し方であろう。多くの軍人たちが戦争裁判で己れの保身に汲汲とする中、今村自ら進んで戦犯となった。無罪を言い渡されても、部下たちのいる孤島の刑務所への収監を望んで刑期を務めたのである。その後、巣鴨プリズンで拘置された今村は、釈放後、自邸内に三畳一間の蟄居部屋を作り、ひたすら贖罪の日々を送った。リーダーとしての責任を痛切に感じた上での行動であった。 もう一つ忘れてはならないのは、今村は不敗の軍人であったことである。「強い指揮官」「立派なリーダー」??その実例を本書から学べるだろう。 ●プロローグ 重油の海を漂流 ●第1章 陸軍士官ををこころざす ●第2章 中国大陸、南寧の激戦 ●第3章 島崎藤村と「戦陣訓」 ●第4章 昭和十六年十二月八日 ●第5章 蘭印への進攻作戦 ●第6章 敗走する蘭印軍 ●第7章 バンドン要塞の陥落 ●第8章 ジャワ総督、仁慈の軍政 ●第9章 「餓島」ガダルカナルの血戦 ●第10章 落日ラバウル基地 ●第11章 終戦??そして戦犯 ●エピローグ 贖罪に生きる
内容説明
南寧の大会戦で勝ち、蘭印攻略戦で勝ち、ラバウル専守防衛では陸海10万将兵の生命を守り抜いた陸軍大将・今村均。ただの一度も負けなかった将軍はほかにはいない。しかし今村はそのことを吹聴するでもなく、戦後は進んで戦犯となり部下を徹底的に弁護し、自ら贖罪の日々を送った。組織を育て上げる教育力、敵からも慕われた今村の人徳を生んだのは「人間は創造主の下にみな平等である」という固い信念だった。戦えば必ず作戦目的を達成した戦略眼。“聖将”とまで慕われたその人間的魅力。
目次
プロローグ 重油の海を漂流
第1章 陸軍士官をこころざす
第2章 中国大陸、南寧の激戦
第3章 島崎藤村と「戦陣訓」
第4章 昭和十六年十二月八日
第5章 蘭印への進攻作戦
第6章 敗走する蘭印軍
第7章 バンドン要塞の陥落
第8章 ジャワ総督、仁慈の軍政
第9章 「餓島」ガダルカナルの血戦
第10章 落日のラバウル基地
第11章 終戦―そして戦犯
エピローグ 贖罪に生きる
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