出版社内容情報
先人たちの叡智をたずねる“ことばの旅行記”。
自然の美しさ、まごころ、人生の知恵――今日に伝わる数々の金言から、現代人に大切なメッセージを読み取った決定版・ことばの旅行記。
情報化社会といわれ、身の回りに様々なことばが氾濫する現代。だが、そのなかで自分自身を見つめ直し、人生を変えるほどの確固たる“ことば”に出会うことは、まず稀である。その意味で本書『ことばへの旅』は、人間や社会を見つめる著者の透徹した眼差しと、それに基づく強靭な説得力によって、古今東西の金言・警句との劇的な出会いに読者を導いてくれる。
▼「君が生れつきコウモリに造られているとしたら、ダチョウになろうなどと思ってはいけない」(ヘルマン・ヘッセ)、「お前たちの不幸は、自分が原因なのだ」(イソップ)――これらの至言を素材としつつも、著者の筆はけっしてその紹介にとどまらない。むしろ“ことば”を出発点として思索・議論に深みを加え、平明達意な文章によって、読むこと、考えることの愉しみを存分に味わわせてくれる。
▼下巻には『ことばへの旅』第四集、第五集、『そして、自分への旅』を収録。読書人必読の名随筆集、待望の復刊!
●真心について
●理想と現実について
●空しさについて
●「自分の世界」について
●情感について
●芸術の秘密について
●「捨てる」ということについて ほか
内容説明
ヘラクレイトス、ヘルマン・ヘッセ、鴨長明、島崎藤村…。古今東西の先人たちが残したことばへの旅は、「自分」を発見するための旅でもある。たしかな視座からの深い思索によって、様々なことばの本質を掘り出してみせる本書は、人生、社会、文化の諸問題を考える上での格好の道しるべとなるだろう。すべての読書人必読の書。
目次
真心について―しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山さくら花(本居宣長)
理想と現実について―アジアは一つである。(岡倉天心)
空しさについて―空は有レ善無レ悪、智は有也、利は有也、道は有也、心は空也。(宮本武蔵)
「自分の世界」について―こういうがええんじゃ(志賀直哉)
情感について―起きて見つ寝て見つ蚊屋の広さ哉(遊女浮橋)
芸術の秘密について―瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり(正岡子規)
「捨てる」ということについて―一代聖教みなつきて南無阿弥陀仏になりはてぬ(一遍)
母なる自然について―願くは之を語りて平地人を戦慄せしめよ(柳田国男)
住まいについて―さびしき住ひ、一間の庵、みづからこれを愛す。(鴨長明)
自然の美しさについて―あゝ心あらん人に見せたきは此頃の富士の曙。(徳冨蘆花)
人生の知恵について―秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず(世阿弥)
魂の風景について―菜の花畠に入日薄れ見わたす山の端霞ふかし(文部省唱歌)
ことわざについて―ことばは心の使
人間を解くカギについて―開け、ゴマ!(アラビアン・ナイト)
著者等紹介
森本哲郎[モリモトテツロウ]
1925年、東京生まれ。東京大学文学部哲学科卒、同大学院社会学科修了。朝日新聞東京本社入社、学芸部次長、朝日新聞編集委員を経て、1976年退社。以後、評論、著述に専念。1988年~1992年、東京女子大学教授
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