出版社内容情報
人工生命を造りだした男、切り裂きジャックを発見した霊媒師、毛むくじゃらの怪物が発見された城……血も凍りつく粒よりミステリー。
内容説明
恐ろしい事件と霊気ただよう名所にはこと欠かない国・イギリス。本書は、英国各地から集められた怖くて不思議なお話を一挙紹介!人工生命を造り出した男、130年間に1000回幽霊の出た館、切り裂きジャックを逮捕に導いた霊媒師、関係者が次々死亡する大英博物館の陳列品の謎…どれもまごうかたなき事実ばかり。読み始めたら止まらない、思わず背すじが寒くなる一冊。
目次
第1章 勿然と消えて還らなかった者たち、その真相(エドワード五世幼王―いまだ解明されぬ、王位継承をめぐる暗殺;密使バサースト―秘密外交の暗闇に消え去ったスパイ ほか)
第2章 死霊と交流する奇人たち、その活躍(ガブリエル卿―幽霊と親交を結んだ紳士;カーク氏―娘の亡霊と暮らす大学教授 ほか)
第3章 幽魂が棲みつく館、その恐怖(ボーリー司祭館―130年間に1000回も幽霊の出た館;グレイミス城―毛むくじゃらの怪物を閉じ込めていた城 ほか)
第4章 激しく生き抜いたイギリスの女たち、その生涯(ソフィア・ドロテア―幼なじみとの悲恋に身を投じた国王妃;メアリ・シェリー-19歳で『フランケンシュタイン』を書いた作家 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
144
イギリスの歴史上の怪奇な幽霊や人物や女傑達の伝記風エピソード集です。読み終えて思うのは、現代社会はコンピューターが発達してどうしても幽霊や怪異の世界が馴染み難い環境になっていますが、昔は迷信や何かが違和感なく信じられる幻想と神秘にとっては誠に居心地のいい風土だったのだよなと改めて思いますね。第1章は失踪者、第4章は4人の女傑の伝記物語ですが、やはり第2章の霊媒・超能力者・魔術師の物語と第3章の幽霊屋敷やミイラの呪いの話が恐ろしくて圧巻ですよね。怨念と呪いが織り成す夥しい数の死者の話にはブルブル震えますね。2020/04/06
ヴェルナーの日記
114
相変わらずオカルトネタが豊富な著者だ。本書は大きく4つに分けて23の記事を編んでいる。今まで自分が読んできた桐生操氏の作品群と少し毛色が違って新鮮だった。どちらかといえばゴシップネタ風のタブロイド紙のような印象を受けたが、本作品は一つひとつ記事に推論が加えられて今までに取り上げた内容と一味違った新鮮ネタ(新しいという意味ではなく、作者が今まで取り上げなかったという意味)を取り上げているところが面白く読むことができた作品だ。個人的には第4章の〝メアリー・シェリー”や〝ヴィヴィアン・リー”辺りが興味深かった。2016/07/02
あたびー
26
全部幽霊屋敷の話というわけではなかった。英国にはこれでもかと言うくらい有名な幽霊屋敷があり、日本と違って多くが石や煉瓦造りのためにかなり古いものが現存している。そこに伝わる幽霊話を中心に軽いゴシップ調のタッチで紹介しているので大変読みやすくあっという間に読み終える。但し現在では間違っていると言う説もある話を、そのような解説もなしに紹介している所から、読む人によっては誤解を招くだろう。出典が明記されていないのも残念だ。リットン卿の話など彼の小説をそのまま実話のようにしてあり不誠実に感じる。2020/10/16
クナコ
11
初読。タイトルと中身が合っていない。幽霊屋敷に関する話は第3章あたりのみ。英国人、または英国にまつわる偉人・奇人・奇譚集といったところ。タイトル詐欺も良いところだったが、それに捉われなければどれもそこそこ面白い四方山話だった。ただ、本書内で語られるいくつかの「歴史の真実」とやらを信じて良いのかは疑問が残る。本当にそうならもっと広く認知されていても良さそうなものだが、どれもこれも一度も聞いた覚えがない。一説・一考察程度に受け止めておくべきかと思われる。2021/11/27
ふたば
5
イギリスの偉人、幽霊屋敷、女性、あとは死者と交流したなんていう人物、総勢23の短編。本当?っていうまゆつばものから、ペストのために母を「消された」哀れな女性、現代の大女優ヴィヴィアン・リーの生涯まで、読んでいてイギリスらしいな~と感じるのがとても面白かった。2018/11/04