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岩波新書
教養としての言語学

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004304609
  • NDC分類 801
  • Cコード C0280

出版社内容情報

ひとりごとの時なぜ英語は自分のことをyouと言うのかなど,ことばをめぐる意外な事実や見過ごされてきた問題を,言語学の基本を丁寧に解説しながら解き明かす.『ことばと文化』『日本語と外国語』に続く待望の続編.

内容説明

動物の伝達行動から分かる人間の言語の特質、体調が悪くてもHow are you?にFine,thank youと答えるわけ、ひとりごとの時なぜ英語は自分のことをyouと言うのか、など、ことばをめぐる意外な事実や見逃されてきた問題を、言語学の基本をていねいに解説しながら解き明かす。深く言語のしくみを知りたいと願う読者のための待望の一冊。

目次

第1章 記号としてのことば(記号とは何か;記号と指示対象の関係 ほか)
第2章 ことばの働きとあいさつ(言語の構成要素と基本的な機能;あいさつの本質を考える ほか)
第3章 指示語のしくみ(指示と指示語;人称代名詞の指示性から見た分類 ほか)
第4章 人称をめぐる諸問題(人称とは何か;相手をどの人称で捉えるか ほか)
第5章 「言語干渉」から見た外来語(言語干渉とは何か;外国語による影響の六類型 ほか)

著者等紹介

鈴木孝夫[スズキタカオ]
1926年東京に生まれる。1950年慶応義塾大学文学部卒業。専攻は言語社会学。現在、慶応義塾大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobu A

12
1996年初版。著者をより良く知るには時系列に読む必要がある。言語学入門書のようなタイトルだが、中身はそれ以上。慶應義塾大名誉教授が過去40年間数大学で講義したものを纏めたもの。従来の学術的視点を超えた考察。鳥類の後天的音声学習能力や言語干渉の視点からの語彙変遷等、知的好奇心を掻き立てる内容。前著(1999年)は飛躍的だと多少面食らったが、着眼点が他と違う。生物学に興味を持ち医学部を卒業後、文学部に編入、その後米国留学という経歴を見て納得。鈴木孝夫著書2冊目。今まで手に取らなかったのを恥ずかしくさえ思う。2020/06/27

月面猫

11
広範な言語学の内容から、教養として理解すべき内容を著者なりに抽出し説明した良書。学問の基礎的事項を網羅するだけならそれは教科書を読めばよい。大学の教養教育はかくあるべし。話し手の心情が、人称の選択を変化させるという内容が興味深かった。より深く言語学を学んでいきたい。2020/05/01

amanon

9
図書館で借りた直後に既読本だと気づいた(笑)五年ぶりの再読だが、「こんなこと書いてあったんだ…」と少なからず発見があったか。とりわけ、人間以外の動物、特に猿の言語習得の件が興味深かった。ただ、元々言語習得能力が殆どないと思われる動物に言語を教えるというのは、今日では虐待と見做されるのでは?という懸念を抱いてしまうが。また終盤における日本語と海外語(特に英語)との関係は、今日においてはかなり様相が変わっているので、再考が必要か。特にここ何年かの「日本すごい」的な風潮と絡めて、考えるべき問題かもしれない。2023/06/16

T M

7
一般的な言語学の研究法とは言えない「動物の伝達手段」や「動物行動学的な視点」によって、人間の祖先が音声を伝達手段に選んだこと(発声することが快感!)により進化・発展したことや、挨拶には集団の成員にそれぞれの力に応じた行動を取らせる生物社会学の原理が含まれることなどが分かる。その他、人称の問題では日本語は相手によって自分自身を規定する相対的自己規定であることや、言語干渉では、外国語の影響を受けつつも混在せず、併存する文化ということが分かったり、言語を通して日本の文化のあり方を考えることができる。2016/05/21

amanon

6
我々が普段何気なく当たり前と思って使っている言葉。でも、一歩踏み込んで考えてみると、それがいかに捉えどころがなく不可解なものか…言語習得に必要なのは知性だと一般に考えられているが、その説に否を唱えるくだりは、正直どうか?と思ったがその反面虚を突かれた思いもした。また、人称という、普通だったら迷いようのないものと思われる問題でも、いざ個々の事例を検証していくと、非常に複雑な問題が絡んでいたり、論理的に説明がつかない事象なども散見されるのに驚かされる。また、著者の文学作品への造詣の深さにも感心させられた。2018/10/26

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