出版社内容情報
東京藝術大学大学美術館で9月7日より開催の「明治工藝」展の公式カタログを書籍化したものです。江戸時代に大きな発展を遂げた日本の工芸技術は、とりわけ金工・漆工の分野で、造作・装飾に写実が意識され、様々な材料を使用し、技巧を尽くした作品が作られました。そして時代が江戸から明治に移ると、将軍家や大名の後ろ盾を失った工人たちはが、明治政府の殖産振興、外国への輸出政策によって、新たな制作の方向を見い出し、外国における博覧会で絶賛されるようになりました。そんなひとりの台湾のコレクターが収集した「明治工藝」の一大コレクションが「宋培安コレクション」で、今回日本で初めて書籍となりました。
東京藝術大学大学美術館[トウキョウゲイジュツダイガクダイガクビジュツカン]
朝日新聞社[アサヒシンブンシャ]
目次
1章 写実の追求―まるで本物のように
2章 技巧を凝らす―どこまでやるの、ここまでやるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なる
28
明治とは面白い時代で、幕府や大名の後ろ盾を失った工芸職人たちが殖産振興や海外への視野へ向けて新たな制作の方向を見出すようになったそうで、その過渡期に生まれた作品は視覚的にもインパクトのある物が増え、ある種ここから芸術性が発展したとも言えるかもしれない。生物を写実的に手足も動かせるように作った自在置物や、例えば柄杓に留まる蛙を「一本の木」から掘り出すような木彫の他、釉薬・七宝・加工素材を焼き付けた技法で外国人の度肝を抜いた陶器や漆器、金工から根付、天鵞絨友禅、象牙彫に至るまで技巧の洪水に心地よく溺れる。2022/04/04
蘇芳
1
タイトルの通り。特に彫像は江戸時代のデザイン的な造形から一気にリアリズムに舵をきった様子がわかる。爆発する造形物の生命感が恐ろしい。2021/01/19
あさひ
1
自在置物が気になる。 冨木宗行、満田晴穂(この本には関係なし)2019/02/09
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