内容説明
しんあいなる先生、おぼえていらっしゃいますか。わたしは、おちつきがなくて、こまったことばかりするせいとでしたね。でも、あなたは、けっしてしからないで、すばらしい一年間の思い出をくださいました。―今は大きくなった女の子が、先生にむけて書いた一つうの手紙。年をかさねても色あせない、先生とせいとのゆたかなつながりが心をうつ絵本です。
著者等紹介
ホプキンソン,デボラ[ホプキンソン,デボラ] [Hopkinson,Deborah]
アメリカ、マサチューセッツ州生まれの作家。子どもの本、歴史小説など、これまでに50冊以上の著作がある
カーペンター,ナンシー[カーペンター,ナンシー] [Carpenter,Nancy]
アメリカの絵本作家。40冊以上の作品を手がけ、高い評価を受けている
松川真弓[マツカワマユミ]
英米の絵本や物語を中心に活躍する翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
70
子供の頃は少し問題児だった「わたし」。大人になった今、迷惑をかけたけれど、大好きだった先生に手紙を書きます……。わたしの小学生の頃の、担任のおばさんの先生を思い出しました。ちょっと型破りで、教室でジャージに着替えたりしちゃう。余った給食でおにぎりを作ってクラスのみんなで分けたり、熱を測るときはおでことおでこをピッタンコ。面白くて人気がありました。2019/10/02
よこたん
55
“帰り道、ずっと手をひいてくれていた先生は、どんなに、わたしがふるえていたか、だれにも言わないでくれたのです。” 二年生で出合った先生は、「かんにんぶくろの、おを切らせる」ような子どもだったわたしに、いつも寄り添ってくれた。けして特別扱いではないところが、子ども心を落ち着かせたのだと思う。周りから浮いていた困ったさんのわたしが、ページを繰るごとに少しずつ友達の輪の中に馴染んていく様と、先生のいつも変わらぬ眼差しに、ぐっときた。わたしの心に灯ったあかりは、やがて先生にとっても嬉しい実を結んだことが嬉しい。2020/04/18
papapapapal
51
恩師への手紙、という形式で描かれた絵本。「かんにんぶくろの、おを切らせる」タイプの子どもだった、2年生の「わたし」。向き合い、個性を伸ばし、時に本気で叱り…何でもお見通しの先生との最高の1年間は、「わたし」の人生の指針になる。 作者であるデボラ・ホプキンソンさんが小学校2年生だったときの先生がモデルになっているのだそう。先生への感謝がたっぷり詰まった、夢がいっぱいの一冊。2020/08/21
ぼりちゃん(旧 aiaimo`olelo)
45
どの教育現場にも、取り残されそうな子というのはいるものだ。私もそうだったからこそ、さり気ないユーモアや優しさでそっと寄り添ってくれた先生のあたたかさは今でも覚えている。あの先生はどうされているかな。お亡くなりになった先生もいるけど、それでも時々思い出す。そのたびに『わたしの先生でいてくださって、ありがとう』と思う。先生は、生徒のためになっているのかな…と悩み過ごされていたかもしれない。それでも、長い年月を経て尚、想いとして残り伝わり伝えられ、ずっと先の未来へ繋がっていくものも必ずあるのだな。 6歳2021/04/11
chiaki
44
幼い自分の行く手をそっと照らしてくれる、辛抱強く見守っていてくれる…そんな先生に出逢えたら、人生においてそれはとても幸せなことだと思います!そんな先生の「かんにんぶくろのおが切れる」ような子どもだった私だけれど、分け隔てのない先生の愛情は、私の心にしっかりと届いていたんですね!先生が先生になったのも、きっとこんな出逢いがあったからなんじゃないだろうか。恩師である先生へのお手紙として始まる本書。最後の結び方に涙ぐんでしまいます。大人も子ども(高学年からかな)も読んでおきたい1冊。2020/06/14
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- 和書
- 今日もネコ様の圧が強い