出版社内容情報
小さな島の灯台に、新しい灯台守がやってきた。レンズを磨き、油をつぎたし、遠くの海まで光をおくる。船の安全を守るために。――灯台守の仕事と暮らしを情感ゆたかに描く絵本。2019年のコールデコット賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
98
灯台守の日課が躍動感ある緻密な絵と生き生きとした文で描かれている。海の番人。地道で過酷。彼らは使命感に溢れ誇りに満ちていた。開き絵とラストページも印象的。灯台内部を描いた絵には興味津々。巻末には灯台についてさらに詳しく書かれてあり大人も楽しめる作品。2019/09/10
とよぽん
70
航海の安全を守る灯台を維持管理する灯台守。その仕事と生活が端正に描かれている。絵がとても美しく、孤独で単調な日常の連続の中に荒天や遭難などの緊張の場面が襲ってくる。大変な仕事だが、大切な仕事である。この作品に出てくる灯台は「地図には記されていない、どこでもない場所」にある。日本に西洋式灯台が造られたのは1868年。現役で働いている灯台は、2019年時点では全国に64基あるそうだ。少し縦長の形は、海や空そして灯台の高さにふさわしく、スタイリッシュだ。2020/12/26
p.ntsk
68
自動化される前の灯台の灯台守の仕事や暮らしぶりが描かれています。描かれているエピソードは実際にあった話が元になっているようです。過ぎ去りし日のお話なだけにかえってロマンを感じます。巻末の灯台についてを読むと様々なエピソードが紹介されています。灯台の断面図のような絵もいいです。住んでみたくなります。 2019/09/11
gtn
52
家族だけの閉ざされた世界。まれにある刺激は、海難等不幸な出来事。しかし、その一家は失ったその生活を思慕している。故郷を失った感情に近いかもしれない。2020/03/26
annzuhime
46
島外の図書館から取り寄せ。海の上で道標となる灯台。かつては灯台の中に実際に人が生活して、日没から夜明けまでずっと光を照らしていた。霧が立ちこめる日には鐘を鳴らす。そんな灯台守たちの生活。今では無人となった灯台。灯台守たちの存在を知ると、無人の灯台も素敵な家に見えてくる。CASA BRUTUSの大人も深読みしたいこどもの本100。2023/10/13