内容説明
恐ろしい闇の力を秘める黄金の指輪をめぐり、小さいホビット族や魔法使い、妖精族たちの果てしない冒険と遍歴が始まる。数々の出会いと別れ、愛と裏切り、哀切な死。全てを呑み込み、空前の指輪大戦争へ―。世界中のヤングを熱狂させた、不滅の傑作ファンタジー。旧版の訳にさらに推敲を加え、新たに『追補編』を収録した「新版」です。トールキン生誕100年記念出版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syota
37
この巻はフロドとサム、スメアゴルのモルドールへの苦難の旅。死者の沼地や黒門は文字だけではやはり地味で、映像を思い浮かべながら読んだ。キリス・ウンゴルでシェロブに襲われる場面が最大の山場だろうけど、これって映画で観た記憶がない…カットされたのだろうか。サルマンと並ぶ中盤のボスキャラで、しかも敵方唯一の女性?キャラなのに(・・;) それと、なんといってもスメアゴルの存在感が抜群。これほど濃いキャラには、めったにお目にかかれるものではない。[G1000]2018/02/06
波璃子
24
どこを見ても真っ暗で真っ黒。それが今回の印象です。こんなに行く先に希望のない旅ってそうそうないのではないかと思う位辛いです。サムはここでもかっこよかったです。モルドールの者たちとの戦争が始まってしまうのでしょうか。第三部へ。2014/10/20
みけのすずね
14
指輪をつけまわっていたゴクリ(スメアゴル)を手懐けつつモルドールへ入ろうとするフロドとサム。フロドは高潔なひととの友情にふれ公正な意見をきいても、厄介者を内に留める。とはいえ、やはり闇に蝕まれている「かわいそうなスメアゴル」。運命を引き受けて死の闇へ歩を進めるのは足が重いのよなあ。サム:本当に深い意義のあるお話や心に残ってるお話は、主人公たちは冒険をしなきゃなんないはめに落ち込んじゃったように思えますだ。ですね。2017/01/09
maimai
11
それぞれの登場人物がそれぞれの経験・置かれた立場によってそれぞれの「正義」をもち、それらは時に微妙に食い違ったりもする。それぞれがそれぞれの役割を果たしていって、世界が大きく動いていく、そのスケール観に目を瞠る。さあ、いよいよ「王の帰還」だ。2017/05/12
あつお
9
共通の目的のため仲間を離れ孤独に闘うサム、フロドの姿は、「ハリー・ポッターと死の秘宝」における、ハリーとハーマイオニーに似たものを感じる。 正義のため自身の生命を危険に晒し、闘わねばならない運命を呪う。しかし、そんな境遇を乗り越えられるのも、見えないながら自身を支える仲間の存在があるから。彼ら、彼女の存在があるから再び奮い立つことができる。現実世界でも時に孤独を感じるもの。サムとフロドに共感を覚えた方も多いはず。 次回はついに最終、第三部。「王の帰還」が楽しみです。2021/12/02
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