出版社内容情報
ヒトラーがあたしのぬいぐるみのうさぎをもってってしまったー!ナチスの手を逃れ、亡命生活をおくるユダヤ人少女アンナと家族。困難の中でも、温かい愛情に支えられてのびのびと成長するアンナの物語。☆厚生省中央児童福祉審議会特別推薦※この書籍は特装版のためお届けに時間がかかります。(+1日程度)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんちゃん
22
「おちゃのじかんにきたとら」のジュディス・カーさんの初の児童書であり、自伝的作品。ナチス台頭の前夜、ライターとして有名人だった父、そして母、兄とともにアンナはドイツからスイス、フランス、イギリスへと亡命の旅を続けます。多くのものを残して、ギリギリの生活の中で生きていた少女時代、ナチスの攻撃に直接さらされるわけではなく、家族も一緒に生活できるという意味では、強制収容所に散っていった人たちよりは、恵まれていたのかもしれませんが、このような困難に生きたユダヤ人たちもいたことを、覚えておかなくてはと思います。→2012/01/25
シュシュ
3
ユダヤ人家族の亡命物語。著者のあとがき「世事や金銭に疎い父、家事の不得手な母―世間から見ればあの時代を生きるには決して理想的な両親とはいえないでしょう。しかし幾多の困難や悲劇のさなか、私たち兄弟が他の子どもにまさるとも劣らず楽しい子ども時代をもてたのは私たちにとってすばらしい両親だったからです」この物語は大変な状況の中、希望を失わない子どもの目線で書かれている。同じ作者の絵本『おちゃのじかんにきたとら』に改めて深い意味を感じた。2013/10/14