内容説明
親友のベイリーとけんかしてしまった「あたし」。目の見えないベイリーの役に立ちたいだけなのに。そんなとき、トレッリおばあちゃんは、おいしいスープやパスタを作りながら教えてくれる。人と人が心を開きあう方法を…。
著者等紹介
クリーチ,シャロン[クリーチ,シャロン][Creech,Sharon]
1945年、アメリカのオハイオ州クリーヴランド生まれ。ハイラム大学、ジョージ・メイン大学で英語学を専攻する。卒業後、イギリスとスイスの高校で英語教師として働いたのち、執筆に専念。1995年、『めぐりめぐる月』(偕成社)でニューベリー賞、2002年、『ルビーの谷』(早川書房)でカーネギー賞を受賞
せなあいこ[セナアイコ]
東京生まれ。同志社大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
7
スープやパスタを作りながらロージーの話を引き出してくれるおばあちゃん。おばあちゃんの人生もおばあちゃんのスープの具材のようにカラフルだっただろう。ユーモアのスパイスを効かせて最高の煮込み料理になったのだろう。最後に供されるおばあちゃんのご馳走。ここまで来るまでにすっかりおなかがすいてしまった。おいしいものをみんなでいっしょに食べるなんて最高。2009/10/03
頼ちゃん
3
誰にもおぼえがあるような思春期の気持ち。おばあちゃんが優しく教えてくれます。さりげなくトイレに行ったりして。でもおばあちゃんの人生、いろいろあった。泣ける。だからこそ今があるのかな。字も少なく、すらすら読めるようで、案外奥が深い一冊。2016/02/09
さいと
3
作者は本当に思春期の少年少女の気持ちをみずみずしく描いています。ああ、あのころは自分もそうだった。うまくいかないことにイライラしたり、落ち込んだり。好きな子のことで人生はじめての嫉妬をしたり(笑)。人生とはままならないもの、他人の気持ちを思い通りにはできないのです。それでも、誰かを優しく思いやったりするようにいつのまにかできるようになっている。そんな風に大人の一歩を歩めるように主人公のロージーとベイリーを、そしてなにより読者を、トレッリおばあちゃんと料理は応援しているように思えます。2012/07/22
piyo
3
なんてあたたかい作品なんだろう。小学生、中学生のころにもっともっとこういう本と出会いたかった。人を好きになること、尊敬すること、どんなふうに人と人は関係していくか、などこういう本をたくさん読んで知っていけばいい。自分の中に優しい気持ちをはぐくんでいければいい。ああ!おばあちゃんのスープにパスタ!!一緒に作って食べたい。 2010/08/08
遠い日
3
幼なじみの閾から初恋のステージへ。微妙なこころの揺れをおばあちゃんは掬いとり、自分のその時代と重ねて見せてくれる。どうにもできないこころの波立ちが純粋で、清新で、まぶしい物語だった。2009/12/24