出版社内容情報
岩が叫ぶ!太古からの苦悩を星々になげかけるかのように…。オーストラリア原住民の間に伝わる伝説をもとにした、自然と人間との関係を描くファンタジー。 小学校高学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
16
太古の岩の精ナルガンは、自然にない振動に目覚め、長く住みならした洞窟を離れ、狩りをしながら長い旅に出た。事故で親を亡くしたサイモンは、牧羊を営む遠縁の兄妹チャーリーとイディの家に引き取られ、近くの沼に住むいたずら好きな水の精ポトクーロックと友人になる。近くで森林の開拓工事が進む中、重機が忽然と消えた。サイモンは夜の沼に出かけてナルガンに遭遇し、チャーリー、イディ、そしてポトクーロックとともにナルガンに立ち向かう・・・アボリジニに伝承される土地の精たちと開拓者の共存・共闘、平和なラストにはうれしくなります。2019/06/12
ワッピー
15
白人が来るはるか前からオーストラリアの大地に住んでいる「土の族」を紹介している本は少なくて、ワッピーが読んだのはライトソンの「ウィラン」シリーズ以外は「ドリームタイム」(サンリオ出版)ぐらいです。大地に生じた不均衡を取り除き、正しい姿に戻すという思想、アウトバックの生活など魅力的な本でした。ナルガンの孤独には胸が締めつけられますが、そんな感傷を受けつけるような存在でもなさそうですね。何となくムーミン谷のモランをイメージしてしまうのも、感情移入の理由かもしれません。2012/05/27
timeturner
5
アボリジニの伝承をもとにしているためか、これまで読んだことがないような不思議な雰囲気だった。オーストラリアの精霊はその風土を反映してヨーロッパのものより重々しく荒っぽい。それが魅力でもあり、恐怖も生む。2016/05/02
詩歌
3
タイトルからして切ない。日本の八百万信仰、バランスを取ろうとする精神に妙に親和性があります。2014/04/22
くもりーな
1
オーストラリアに息づく太古の精霊をモチーフにした、独特の深いリズムのあるファンタジーでおなじみのライトソン。この作風はきっと好き嫌いはわかれす作家さんだと思いますが、私個人は大好き。こちらも、重厚感ある彼女独特の雰囲気が満喫できます。★★★★☆2007/04/13