内容説明
「モッタイナイ」の精神を世界に広め、アフリカ人女性で初のノーベル平和賞を受賞した環境保護活動家W・マータイさんの伝記絵本。
著者等紹介
ニヴォラ,クレア・A.[ニヴォラ,クレアA.][Nivola,Claire A.]
評価を得たイラストレーターであるとともに、物語の書き手としても活躍。米国マサチューセッツ州ニュートン・ハイランズに夫と二人の子どもとともに在住
柳田邦男[ヤナギダクニオ]
1936年栃木県生まれ。ノンフィクション作家。現代人の「いのちの危機」をテーマに、40年以上にわたり、執筆活動をしてきた。最近は、終末期医療問題の他、心の危機、ネット社会の危機、絵本の重要性などについて積極的に発言している。1995年にノンフィクション・ジャンルの確立への貢献と『犠牲(サクリファイス)わが息子・脳死の11日』の執筆に対し、第43回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
149
日本は湿度を帯びて雨に恵まれ、木は育ちやすい。雪は積もり地下水を蓄える。…モッタイナイという日本語を広めた、ワンガリ・マータイ氏。ケニアは独立したものの、生活は厳しく人口は増加。お金のために伝統農法を手放し、砂漠化が加速した痩せた土地に木を植え始めた。農家の自立支援、女性の地位向上、政治の民政化などを手掛けた。…学びは考えを生み、行動は事実を作る。1本ずつ苗木を植えていく人々と、目先の利益を求める者の争いを経て、幅広い活動が高く評価された。 もったいないという精神は、今以上に必要とされていくことでしょう。2021/10/24
モリー
45
ワンガリ・マータイさんの伝記絵本です。彼女の事はノーベル賞受賞者にして「もったいない」という言葉を世界に広めた方という事しか知りませんでした。彼女の勇気と行動、そして彼女の言葉を広く知らせたいと強く思いました。彼女の真の功績を知らずにいることこそ、「もったいない」です。以下、彼女が兵士に呼びかけた言葉を引用。「あなたたちは両手で銃を持っていますね」「でも、何を守るのですか?風がふき雨がふると、この国の大地が失われていくのです。銃は右手に持ち、左手には苗木を持ちなさい。そうやってこそよい兵士になれるのです」2019/05/07
よんよん
33
アフリカの女性で初めてノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんの伝記。「モッタイナイ」という日本語を広めた事で知っていたけど。絵も綺麗な本です。2015/09/01
たまきら
31
ノーベル平和賞を受賞したマータイさんのおはなしです。緑豊かなケニアが変わってしまった…けれど、また変える努力をしよう。そう決意してあきらめずに働きかけた一女性の静かなパワーを感じる本です。2019/07/19
小夜風
25
【図書館】「モッタイナイ」という日本語を世界に広めたアフリカの女性がいるということは知っていましたが、恥ずかしながら彼女の名前も、何をした人なのかも、この絵本を読むまで知りませんでした。2004年にアフリカの女性として初めてノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんの伝記絵本です。マータイさんがアメリカに留学していたたったの5年の間に変わり果ててしまったケニアの風景…。ただ嘆くのではなく、自分たち自身で解決しようとするのが大きな意味を持つのですね。裸の大地が緑に覆われていくのはホッとします。良い絵本。2015/05/22