内容説明
近年、生命の起原と進化に対する水の役割が取り上げられ、水なくしては生命の形成は不可能との認識がなされている。本書は、あらゆるレベルの生命現象におけるH2Oの役割を要領よくまとめたテキスト・参考書である。前半は、水の起原、構成要素、特徴など基本的な知識を中心とし、後半では、生命代謝におけるH2Oのマクロな機能およびエネルギー合成や代謝におけるミクロな機能を多くの図表を用いてわかりやすく解説してある。基礎生物学の重要なキーワードを復習しながら、体系立ててH2Oの役割を理解できるため、生物系はもとより他分野の学生にとっても有益な書である。
目次
1章 地球水の由来
2章 液体としてのH2O分子のありさま
3章 生命分子の合成と分解におけるH2O分子の働き
4章 生命分子の親水性と疎水性
5章 生命高分子と細胞水系
6章 水の代謝と膜の役割
7章 細胞におけるATP合成のしくみ
8章 エネルギー代謝におけるH2Oとその分解物(H+,e-,O2)
著者等紹介
中村運[ナカムラハコブ]
1958年京都大学大学院理学研究科(植物学専攻)修士課程修了。1961年理学博士。1972年甲南大学理学部教授。1999年甲南大学名誉教授
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