内容説明
犯罪の準備状態である個人の反社会性の形成と、犯罪行為そのものの発生機構を区別して分析するという立場から犯罪の原因について探究した書。個人と社会環境の両側面に焦点をあてながら、犯罪原因を論じてきた主要な理論をとりあげ、日本の実証研究の成果も含めて丹念に考察を進めていく。
目次
1章 現代日本の犯罪動向―日本は安全な社会か?
2章 犯罪原因の科学的研究―犯罪研究はどのように始まったか?
3章 犯罪の社会的要因―犯罪は環境のせいか?
4章 犯罪の個人要因―犯罪者には特有の資質や性格があるのか?
5章 犯罪の発達的要因―何が人を犯罪者に育てるのか?
6章 犯罪原因の統合的理解―犯罪原因の体系的モデル化は可能か?
7章 さまざまな犯罪者たち―犯罪者のタイプは事件によって違うのか?
著者等紹介
大渕憲一[オオブチケンイチ]
1977年東北大学大学院文学研究科博士課程中退。1996年博士(文学)。東北大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陽香
0
200607202012/03/21
makurasi
0
犯罪心理学について、分かりやすく解説してありました。特に犯罪者がどのように成長していくかの理論化の部分が、面白かったです。犯罪者の素質を持った人が、不適切な環境にいると発現するのだとか。興味深いです。2019/11/03
まるじゅん
0
著者自身の説ではないが、社会構造論を唱えたデュルケムの「犯罪は健康な社会の不可欠な一部分をなしている」「社会の健全な機能にとって犯罪は有用である」との考えは興味深いと感じた。すなわち、犯罪を規制しようとしたりこれを取り込むやり方で社会は新しい規範を発展させるし、集団規範の存在を明確にして成員間の凝集性を高めるだけでなく、既存の規則や手続の問題点を指摘する警戒信号となる。2018/08/08
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