内容説明
生体は内外の環境変化を正確かつ巧妙に感知し、的確な対処を行なって、その生命を維持している。この生命活動の根底にあって重要な働きをしている情報伝達のしくみ、すなわち刺激情報の受容から生体電気信号の発生(イオンチャネルの開閉)までの過程における精巧な分子機構について、その知識と研究の状況をまとめたものが「情報生物学シリーズ」である。本書はその第1巻で、神経における情報伝達の過程に関与している情報変換分子や、生体における刺激情報の受容・変換・伝達等の機構について、分子レベルでの研究の現状と、今後どのように展開してゆくかなど、我が国の研究成果をも含めた知見を初心者向きに平易に解説したものである。生物学・物理学・化学・医学・薬学等の境界領域に生まれたこの新しい研究分野について、その概略を把握し、基礎的知識を得ようとする学生や研究者にとって、大いに参考となる入門書である。
目次
1. 生存の基本としての情報受容・伝達―インパルスの役割
2. 種々の情報受容細胞―リセプターの概念
3. 情報変換分子と生体膜―情報変換の現場
4. 感覚情報変換のメカニズム―刺激の受容から電気信号の発生まで
5. 刺激情報変換の生物物理学―情報生物学の基礎
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